まさにトリックのマスター向けのゲーム。突きつけられる無理難題を乗り越えろ!
【ざっくり解説】
フリーゼのトリックテイキングゲーム。一巡限りの数比べをやるゲームの総称で、中でも本作はトリックテイキングマニアのために作られたゲームと言う色が強いです。
このゲーム独自性はルールカードという、今回のラウンドで皆が従うべきルールカードを合計4枚になるようプレイすることです。これが全部で60枚あります。この組み合わせがえげつないことになります(笑)。
ルールカードをみんなで好き勝手に闇鍋みたいな感じで放り込みます。出来上がったハチャメチャルールの中で自分の腕を競います。中には相当な無理難題を要求するルールができあがることも!
【長所】
最強に意味不明なルールが出来上がることです。それを見て「無理ゲー!」とか言いながら、笑いながらプレイしてベストを尽くす。そうマイスターとかいいながら本質はパーティゲームに近いのだと思います。
切り札の色を決めるだけのものから、酷いもの(誉め言葉)は取ったトリックを隣の人に渡すとかいうのものまであります。最高なまでの意味不明を楽しむゲームです。難しく考えてはいけません!「考えるな、感じろ!」なゲームです。
【短所】
ルールカードがテキストカードだらけです。しかも、それらが全てドイツ語です(有志による英語訳まではされています)。和訳なしを買うと現代となっては入手をしても遊ぶまでこぎつけるだけで大変です。
またルールカードのテクストを確認しながらゲームをするとかなり面倒なこともあります。パッと見で4と9が見にくいなどプレイアビリティの面でもマイスター級の理解力が求められます(笑)。
あとはゲームバランスは二の次な感があります。特に得点カードに顕著で、1ラウンドで10点強取れたり、別のラウンドでは失点を回避すれば御の字みたいなことが平気であります。ゲームバランスを求めてはいけません。
【個人的な評価】
トリックテイキングとツクールゲームの融合です。ただ、奇跡の融合というよりも悪魔合体です(笑)。
時に実験に失敗して出来上がった複合動物(クリーチャー)のようなゲームルールに翻弄されて楽しむ、ゲーマー&トリックテイカー向けのパーティーゲームだと思って遊ぶと良いでしょう。最高に意味不明な時間が約束されています(誉め言葉)。
反面、このゲームデザインをクニツィアやシャハトが出していたら駄作扱いは免れ得ないでしょう。フリーゼだから許されるゲームデザインだと言えます。自分の強みを他のデザイナーと差別化できているともいえます。
推定プレイ回数は2~3回。パーティーゲームとして楽しむにもトリックテイキングの知識が必要という、なんともいえない作品です。大きく賛否も分かれる作品かと思います。個人的には不親切なプレイアビリティ、ゲームバランスが二の次な割に、プレイ時間がやや長いのが気になります。
ですがたまーに遊ぶなら悪くないかなと思っています。古参ゲーマーなら一度は遊んでおきたい作品です。結構レアなので今持っている人は大事にしましょう(僕は現在未所有)。