二人プレイ時の感想を書きます。
ひつ陣は、公開山札からひつじカードを引き、自分の場となる「牧場」にひつじカードを配置しながら特定のセットを作っていくパズル感覚のゲームです。
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手番で出来ることは主に2種類。
・公開山札からひつじカードを取る
・自分の場(牧場)に配置ルールに従ってカードを置く
これだけです。
ひつじカードには1〜4のセット数字が書かれているので、例えば「4」なら、縦横に隣接するように4のひつじカードを4枚くっつけて「群れ」にします。多くても少なくても得点にならず、ちょうど「4」にします。
「1」であれば、同じ1のひつじカードが隣接しないよう孤立させると得点できます。
こうしてセットを作るよう並べていくのですが、カードの置き方には独特なルールがあって、ここが悩ましくも楽しい部分になってきます。
「一度にたくさん置きたいけれど、置き方に縛りがあって思ったように置くには計画性が必要」みたいな状況になるので、プレイヤーは
・最も効率良くたくさんカードを置ける組み合わせを探して、公開山札から引く
・たくさん置けてもセットを作れなければ意味がないので、パズル的にレイアウトも考えながら公開山札を引く
を繰り返すことになります。
公開山札は2×4の列になっていて、いずれかの列の2枚を引きます。つまり毎回両方ともが欲しいカードというわけにはならず、手札にいらないカードが余ります。しかしゲーム中に手に入るカードの量も限られているので、なるべく有効に活用しないと無駄になってしまう。
これらの要素によって、「カードを引く時のジレンマ」「手札を管理する悩ましさ」を中心として「ひつじのセットを配置するパズル」を行いながら、「自分の牧場が広がっていく」楽しさに繋がっていきます。
更にひつじカードには「このマークの羊を場所に関係なくたくさん置いた人がボーナス入るよ」とか「このマークを数字に関係なく長く繋げた人がボーナス貰えるよ」といった別軸のセットコレクションによる加点があり、「縦横に伸ばし過ぎると失点になるよ」といった減点もありで、単純に数字の合うひつじの並びを見ているだけでは勝てません。
こういった複数の得点源を持つ割に、各アクションの処理自体はシンプルなのでサクサク進みます。夢中になって引いたり置いたりしているうちに、気づくとゲーム終盤になっている…かなり軽快で悩ましいゲームです。
各ルールのバランスも互いを邪魔しない程度に上手く噛み合って機能しているし、完成度の高いゲームだと感じました。
コンポーネントはハーフサイズカードのみですが、ひつじの絵柄がとにかく可愛くて良い感じです。手触りの良いざらざらの加工にもなっているので、小さいながら質感の良さが際立っています。
箱もコンパクトサイズで持ち運びにも便利で、デザインも良いため所持しているだけでも満足感があります。
インストも5分あれば済みますし、遊びやすく、考えどころもしっかり確保されているので初心者から上級者まで手軽にオススメできる良作だと思います。