メカ植物学者になって有毒ガスでも食料品を生み出すための研究をしているけど何かそんな感じのゲームです。テーマが意味不明すぎて説明できん! 特異なヴィジュアルも目を引きますが、このイラストレーターはアニメーション映像作家としても結構著名な方だそうで、かなりシュールな作風のようなので、もしかしたらイラストレーターがテーマを考えたのかもしれません。知らんけど。
共通ボードにドラフトで取ったタイルを自陣に置くのですが、共通のマスに置いたタイルと 色か形が同じでないと自陣にタイルが置けない&スペースに空きがないとそもそもタイルが置けないので、欲しいタイルを置く場所がない事もしばしば。手番プレイヤー有利な3枚タイルドラフトを毎回交互に繰り返す仕組みが非常にスパイシーで悩ましい仕上がりになっています。しかも、この自陣に置いたタイルを手に入れるには、共通のマスに置かれたタイルを色も形も違うタイルで上書きして、「リンクを切る」必要があります。もちろん相手プレイヤーも「リンクが切れ」れば、相手もタイルを手に入れられるので、自分だけが得するようにタイルを置く方法に頭を悩ませるわけです。いわばこのゲームは二重ドラフトをやらされている訳ですね。
タイル配置における経路接続も特徴あり、カルカソンヌよろしく絵がつながっていないとタイルが置けませんが、将来タイルが繋がることを見越して経路がないところ同士を隣接させる置き方はOK、ただしゲーム終了時に経路が繋がってないと破棄、得点源にならない、と言うのも将来設計を考えさせつつ、そこを相手プレイヤーにも開示することで妨害もしやすくなる、と言う妙味を生み出しています。まあ得点計算は比較的シンプルで同色タイル隣接3枚以上とか行き止まりの花は同色パイプと繋がっていないと無得点とかくらいで、経路接続は簡素に作られており、メインは二重ドラフトです。
ゲームの緩急の付け方が同作者のジャイプルよろしく、上手くタイルを回収できすぎるとむしろ便乗できない、という種まきと収穫のタイミングの読み合いが絶妙で、妨害もしやすいものの妨害しすぎてもうま味がない、とはいえカードの枚数は均等で全て使い切るのである程度カウントができるなど読み合う要素がたくさんありつつも、ドラフトは引き運。そして一度にドラフトする回数が最小の3枚にして、三手四手先をあえて読ませないと言う点においても、絶対的な技量差がつきがちな2人用ゲームを長く遊んでもらえるような工夫を感じました。
タイル配置が好きな方、アブストラクトでない二人用ゲームをお探しの方、2ひねりも3ひねりもあるゲームのお好きな方にはおすすめしたい傑作用二人ゲームだと思います! ひねりすぎと言う気もするので(後パッケージが濃すぎる)ライト層には受けなさそうですが、こういうゲームこそ売れて欲しいです!