望まない行動の選択を強いられるのは「プエルトリコ」のまま、さらに「レース フォー ザ ギャラクシー」を超える高速決着、というのが私の感想です。
系譜として、プエルトリコ → サンファン → (ここで作者も出版社も変わる) → レース フォー ザ ギャラクシー → ニューフロンテイアと続いてきた訳ですが、各プレイヤーが選択した行動フェイズしか発生しない、ヴァリアブル・フェイズは今作も健在です。
今作では、ディベロップを全公開 + 手札ではなく資金で購入コストを支払う、と変更したことで、ディベロップに関しては、戦略の自由度が増えた、というより、「あのディベロップはどこー?」と山札からカードを引きまくる無駄な手番は無くなりました。
ワールドは相変わらず7枚から1枚を選択するタイプですが、ランダム性は大きく減った、という第一印象でした。
しかし、実際に何度かプレイしてみると、何らかの方法で小金を稼ぎつつ、軍事星系で勝利点を稼ぐスタイルが強く、「たまたま引いた高得点の軍事星系」が勝利への特急切符となりかねません。ランダム性は色濃く残っています。
その為、軍事星系を武力なり、交渉なりでコロニー化できるプレイヤーが出た途端、他プレイヤーは、「探索」のアクションを軍事系プレイヤーに渡さない、かつ、出てきた高得点軍事星系をピックしなければならない、という対抗策を意識する羽目になります。
プエルトリコでは、「この行動を取ると、自分以上に相手が得する」という感覚がありましたが、今作は「この行動を残すと、自分の倍ぐらい相手が得する」という感覚がつきまといます。
とはいえ、「そうか、軍事系が強いのだな」と複数のプレイヤーが軍事系に走ると、高得点軍事星系を奪い合うLose-Loseが始まって、ようやくバランスが取れますので、このゲームは4~5人で遊ぶのが妥当かもしれません。
それでも、レース フォー ザ ギャラクシー以上に高速決着しやすい本ゲームては、基盤を作ってから稼ぎ始める生産&消費系戦略は、複数プレイヤーで「生産」「消費」を分担しないと、厳しい戦いを強いられると思われます。
また(ディベロップを集めて得点を稼ぐ戦略もそうですが)他プレイヤーの行動選択に乗っかって資金源となるワールドを手に入れることが出来るか、という点で、ランダム要素が強く絡みます。
以上が、選択ルールなしで遊んだ感想ですが、選択ルールの導入で、意見が一変する可能性はあります。
総じて、レース フォー ザ ギャラクシーと似たようなことを、持ち運びに困りかねないほどの大箱ボードゲームで遊んでいる、という感覚は払拭できていませんが、ゲーム自体は遊びやすいとは感じます。
また、「自分の有利な行動を選ぶんだ、他人の有利なんて知ったことか」と割り切ったプレイをしても、それはそれで楽しめます。(そして、ワールドの引き次第で、行動選択のストレスのないまま、勝利することは、全然ありえます)
「レース フォー ザ ギャラクシーはカードが増えすぎた」と感じている方は、初心に戻って、ぜひ、試して頂きたいです。 もちろん、レース フォー ザ ギャラクシー未経験の方にもお勧めです。