うさぎの領主となって新世界を征服することを目指すゲームです。
なぜうさぎ?とまず思いますが、144個も入っているうさぎコマを見ると「まあ、良いか。かわいいし」となります。システムはカードドラフトとエリアマジョリティの、なかなか見事な融合です。
では、ゲームの内容を簡単に見ていきましょう。
ゲームは全4ラウンドです。各ラウンドに、プレイヤーは配られた10枚のカードを2枚ずつドラフトしていきます。
カードの効果には
- 領地を広げる (A-8, J-5のようにカードに座標が書いてある)
- 都市を建設する (1-3レベルあり塔の数がレベルと対応)
- 新たな資源を生産する (最初からマップに描いてある以外の資源が生産できる)
- 親書を受け取る(ゲームの最後に得点になる)
があります。ドラフトなので、渡したカードで相手が有利になりますので、選択には注意が必要です。
各ラウンドの終了時、領地の戦力(=塔の数)と生産する資源の種類を基準に「勝利点」を受け取ります。第4ラウンド終了後、ゲームの最後には親書が公開され、得点が大幅に追加される可能性があります。
最初に述べたように、このゲームはドラフトによるエリアマジョリティゲームです。なので、領地獲得のためのカードと、得点獲得のためのカードとドラフトで同時に回ってきます。そして,手元にたった2枚しか残せません。この2枚制限がけっこう悶絶ものです。
まず領地獲得のためのカードには、マップ上のマスの座標がかかれています。その座標カードを手元に残すことで、そのマスにじぶんのうさぎコマを置いて支配することができます。
このゲームにおける領地は、隣接した自分のコマのグループです。点数はその領地の中に含まれる塔の数と、領地に含まれる資源アイコンの種類の掛け算になります。なので、基本的には、自分にはできるだけ、マスとマスをつなぐカードを獲得し、他のプレイヤーにはマスをつなぐカードを渡さないようにします。
また、親書、と呼ばれる勝利点獲得カードも重要です。ゲーム終了時のマスの支配の仕方が点数になるもの、他の親書とのコンボで高得点になるもの、計算して2位になったときだけ高得点を得られるものなど。リチャード・ガーフィールド氏の作風と言って異論はないと思うのですが、これら親書の特殊能力がけっこう強力です。4ラウンドの間ドラフトで溜め込んだ親書の得点力は、このゲームの最終得点の半分は占めると言ってよいと思います。
以上を考えると、渡ってきたカードをざっと見て、残したいカードを検討すると
- 自分の領地獲得に欲しいカード
- 自分の点数獲得に欲しいカード
- 相手の領地獲得を邪魔したいカード
- 相手の点数獲得を邪魔したいカード
が残したいカードです。ゲームの前半、後半や状況によって変わりますが、基本的にはほとんどのカードが残したいカードになりますので、短時間で優先度をつけて、手元に残す2枚を選ぶことになります。この優先度づけが本当に悩ましい。
ぎりぎり考えて、後ろ髪をめちゃくちゃ引かれながら、となりの人にカードを渡します。しかし,反対側のプレイヤーから回ってきたカードを見ると、そちらのプレイヤーも苦渋の末に、けっこう良いカードを回してくれていて、ちょっとほっとしたりします。
総じて、非常に良いゲームです。
ただ、難点もあります。視認性の悪さです。
得点計算の際、まず写真のようにびっしりとつまったうさぎコマを、グループにわける必要があります(毎ラウンド)。そして、そのグループごとに塔の数を数え、城やうさぎをどけて、マスに書いてある資源アイコンを数えて,掛け算します。
加えて、黒はともかく、黄色とピンク、赤とピンクがものすごく区別しずらい。
また、城の肌色もマップの平地と溶けています。
得点計算のためにも、ゲームの状況を見るためにも、マップを見る頻度は結構高いです。ほんとうに良いゲームなのですが、僕個人などは、特に今回のプレイ時、他のプレイヤーの得点計算も手伝ったりしたので,ゲームとは別のところでへとへとにつかれました。しばらくこのゲームの得点計算をしたくないレベルです。
ゲーム性は最高なので、それ以外のところで次のような事が改善されることを切に願います
- コマの色を見直す
- マップをもうすこし大きくするなどして、城とうさぎをどかさなくても生産物アイコンが見えるようにする
- マップの平地の色に比較した時の、城の色を見直す
- 城自体にも、うさぎと同じ色がついているとなお良い
そして、
- そもそもタブレット版のアプリなどを出してもらって、人間が点数計算をしなくて良いようにする
となると一番良いかもです。タブレットなどで出たら、それこそものすごくヘビーに遊んでしまいそうです。