痒い所に手が届く好拡張!
エンバーカデロの醍醐味は、なんと言っても「カードの保管」ですが、インタラクションの観点で言うと、もう一つの醍醐味は「埋め立て」です。
しかし、その埋め立てアクションは、ほとんどがスクラップボーナスの中にしか無く、また、桟橋の延長アクションとの兼用であったため、今ひとつアクションする機会に恵まれませんでした。
したがって、評議会トラックは、船を隣接して入港させ、建築物ブロックを建てていくしか無く、他プレイヤーの建築物ブロックと接触する進み具合も悪いので、トラックでもスリリングなレースがあまり見られませんでした。
この拡張では、まずイベントカードの中に、「各プレイヤー2個ずつ埋め立てをすることができる」というカードがあります。勿論、埋め立てタイルの上には建築物ブロックが置かれます。
また、船カードの「プレアデス号」と「レディ・アダムス号」は、建築物ブロックが通常の1つではなく、3個置けます。
さらに、「モンスーン号」と「ペンブローク号」は、隣接する桟橋に入港料を払う必要が無いので、思いっきり接岸できます笑
これは他プレイヤーの建築物ブロックに接する接する!ベタベタくっ付け合うインタラクションが楽しめます。
兼用だった桟橋の延長も、イベントカードに、「各プレイヤー2個ずつ桟橋タイルを置くことができる」というカードがあります。また、「クラウン・プリンセス号」と「ヴァルハラ号」にも、桟橋を延長できるボーナスがあります。
また、イベントカードの中には、「各プレイヤー、建築物ブロックを3個移動できる」というのもあり、これによって、評議会トラックだけで無く、なかなか造り辛かった4階などの高層階の面積が広がります。
↑ 9枚追加となる不沈船。沈没させることができない。また、スクラップボーナスも無い。前述した6隻。特に、レディ・アダムス号、クラウン・プリンセス号、モンスーン号に注目。この3隻は、上級資源のレンガ、鉄鋼、パルプをそれぞれ産み出す!全62隻の船の中で上級資源を生産するのはこの3隻だけだ。
↑ 一方、全部で18枚追加の民間企業建築物。永続資源を産まないが、種別アイコンが2種類あるのが強い。内容も、公共建物ではないので、個性的なボーナスが多い。「電灯会社」と「ワイズ弁護士事務所」は、進みの悪い評議会トラックを強引にワープできる。「アトラス建築事務所」は、ランドマーク建物と同等の即時10VPが入る上に、さらに終了時VPが入る。「フェルカー博士の薬屋」は、最終ラウンドの保管したカードのコスト=VPが2倍になるという逆転要素。建物カードは全部で84枚になった。
本体だけでも十分満点のゲームですが、埋め立ての可能性を高め、高層階を造りにくいというもう一つの懸念点もカバーしているこの拡張は非常に頼もしいです。
重ゲーのルール拡張はできるだけ付けたくないのですが、安価で、カードの追加のタイプの拡張には食指が動きます。カードはカスタマイズできるので、自分でバランスを上手く調整して、楽しさを盛り上げるために、つまらないカードを抜いたり、好カードの引きの確率を高めたりと、好きなように調整できます。アナログゲームの楽しみの一つだと思っています。
そのためにも、カードは沢山あった方がよくて、そういう意味で、この「沈まない船」のようなカードの追加拡張は、調整好きの方には嬉しい存在です。
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