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次なる花札の舞台は、御家人たちの権謀術数が渦巻く「鎌倉」。
平安時代末期、平治の乱に勝利した平清盛は京都を手中に収めそして全国を支配した。
敗れた源義朝の嫡男・源頼朝は幼き時に、京より遠く離れた伊豆へと流される。
頼朝は、伊豆の豪族・北条時政、政子そして義時らの監視のもとで大きく成長していった。
そして時は流れ、頼朝は平家を討つべく、北条義時を始めとした坂東武士を束ね、全国を巻き込んだ大戦−世に言う「源平合戦」−へ突入していく。
頼朝は、時代の覇者たる清盛に挑み勝利する。そして鎌倉に幕府を開きここに「鎌倉時代」が始まるのである。
しかしおもしろき事哉。盛者必衰、強きものが創りし時代は更なる強者の出現により呆気なく塗り替えられてしまうことになる。頼朝がこの世を去ってしまったからである。
頼朝亡き今、次代の舵を取るのは頼朝の嫡男・頼家だと有力御家人の皆誰もがそう思っていた。ところが、生じた時代の変化は、やがて互いの軋轢を生み、対立し始めるのである。
夥しい謀殺、謀略。凄まじい簒奪、蚕食が繰り広げられる鎌倉にて、次第に頭角を現してきたひとりの有力御家人がいた。頼朝の監視役から腹心となった、北条義時そのひとである。
頼朝を陰で支え続けてきたこの男、源氏への忠義者かあるいは・・・。