TRPGの老舗メーカー グループSNEが作成した、7~8人用のマーダーミステリーです。
舞台は中世ヨーロッパ風のファンタジー世界。
かつて人狼が跋扈したが、騎士団によって人狼を撃ち滅ぼした、という歴史を持つ村で、祝祭日の深夜で発生した、旅の商人の殺人事件。
商人の遺体は人狼に襲われたかのような跡があり、村人たちは人狼復活の疑心を抱く。まして、2か月前には、鍛冶屋の奥さんが森で変死していた事件もあった。
アリバイが不確かな容疑者は8人。このままでは、村人たちは、8人をまとめて、吊るしてしまうだろう。8人が生き残る為には、お互いを調査して、真犯人を引きずり出さなければならない……というストーリーです。
いわゆる「人狼ゲーム」との直接の関わり合いはないのですが、マーダーミステリーの特徴たる「最終的に投票で拘束者を決める」というルールが「人狼ゲーム」に似かよっていたり、今シナリオに登場する役職には「村の占い師」「旅の占い師」がいて互いをペテン師呼ばわりしていたり、と「人狼ゲーム」の概略ぐらいは知っていると、より楽しく遊べる側面もあります。
シリーズの「九頭竜館の殺人」同様、設定書が厚紙で作られており、また秘密情報は見開き1枚でまとめられている為、密談する際も秘密裡に参照しやすく出来ています。
ただ、見開き1枚でまとめた結果、本来、その人物が知っていなければならない事実まで省略されている部分があり、もしGMがいるなら、少し設定書の説明を補った方がいいのでは、と感じます。これも、「九頭竜館の殺人」と同じ印象を受けました。
自分が使いこなしていた道具なのに、「これは何だ?!」と問い詰められて、「いや、それが何を意味するのか、本当に分からない」と答えざるをえないのは、どうかと感じます。
また、性的な描写、アンモラルな描写もある為、15歳以上とありますが、R-15と表現した方がいいかもしれません。これも、「九頭竜館の殺人」と同じ印象です。
いくつか問題点も提示しましたが、総じてGMなしでプレイしても支障はなく、マーダーミステリーの最初の一作目としてプレイするのもいいでしょう。
なお、7人でもプレイできるとはありますが、是非、8人でプレイすることをお勧めします。