美しさを愛して感性で遊び、曖昧さを楽しめる人、協調性を重んじる人にオススメできるゲームです。
逆に、明確さや論理的思考を重んじる人、批判的な言動が常な人にはなかなか楽しめないかと思います。
また、同じ感性を扱うディクシットが好きだからといって、ミステリウムも受け入れられるかというと、そうでなかったりします。
私は多くの購入者と同じく、ミステリウムのコンポーネントの豪華さと神秘的な世界観に惹かれて購入しました。
この二点はゲームを支える大事な要素で、製作側も小物一つ、説明書の言葉選び一つとっても力を入れているのはわかるのですが、回してみるとゲームの構成と舞台の背景がなんだかちぐはぐな感じがするのです。
舞台の背景がシステムと噛み合わない、というのは他のゲームならありなのかも知れませんが、ミステリウムは世界観含めて楽しむゲームなので、結構気になる人は気になります。
親役と言える幽霊役は永い時間をさ迷い、意識が混濁とした存在です。
ですが幽霊には事件の真相を伝えたい意思はあるようで、霊能者たちにいくつかの曖昧なイメージ、幻視を送る。
ここまではフムフム、という感じですが、霊能者が沢山いたところで、真犯人と凶器、殺害現場の組み合わせは一つだけ。
じゃあ、真犯人以外の容疑者の組み合わせは幽霊にとって何の記憶なのか、 なぜ真犯人以外の容疑者の組み合わせの正否が幽霊に分かるのか、と首を傾げちゃうのですね。
そこを、「幽霊は意識が混濁してるからだよ!」と言って済ませられるか、自分たちでストーリーを補完するくらい柔軟な発想ができれば、ミステリウムは楽しいものだと思います。
でも、「なんだかシステムと背景が噛み合ってないよね」、でつまづいちゃう人は、例えクリアしてもモヤっとします。
私の補完は、「実はお屋敷の歴史には複数の殺人事件があって、今回コンタクト取った幽霊には、別の殺人事件の被害者たちの幽霊の記憶が混ざっている可能性がある」、というものです。本当ならばこのお屋敷恐すぎです。
他にも遊ばれた方は色々問題点を指摘していますが、冒頭のように「この世界観、美しさが好き!!こまけーことはいいんだよ!!!」な包容力あるメンバーで遊ぶのならば、きっと盛り上がるかと思います。
ちなみに私は降霊会の雰囲気を出すために深夜に蝋燭の灯りだけで仲間とやったんですけど、暗くて幻視カードが見辛くて大混戦の末に敗北しました。アホです。