かわいい絵柄が描かれた9つのサイコロを振って、出たイラストから空想物語をつくって楽しむゲームです。勝敗を競ったりゴールを目指すわけでもなく、ゲームの中では異色の存在ですね。
いくつかのバージョンがあり、本作は『冒険』というタイトルの通り「宝の地図」や「洞窟」のようなアドベンチャー要素の高いイラストが描かれており、物語を創るには比較的つくりやすい印象があります。
一応公式の遊び方は説明書に書いてありますが、遊び方も自由にその場のメンバーに合わせて決められる感じです。最初にダイスを9つ全部振って一人が物語りを完結させても良いですし、3人で3つずつ振って1つのストーリーをつないで行くのも良いし、投票形式で誰の話が面白かったか勝敗を付けることもできるでしょう。
ファーストプレイを小学生と幼児数人でやりましたが、話をつないで行く方法なら小さい子が混ざっていても遊べます。子供ならではのファンタジックな世界をつくってくれたりするので、不思議な冒険譚が出来上がってみんな大爆笑していました。
基本的には子供向けのゲームである感は否めません。大人だけでプレイするとプレイ感に物足りなさがあると思います。それはコンポーネントに入っていないパーツがあるためで、このゲームを最大限に楽しむための『童心』というパーツを大人は持ち合わせていないからです(≧∀≦)!!
ただしここからが重要で、大人が楽しめないゲームかといえばそんなことはない…というか、子供と一緒にプレイすることで大人が楽しめるゲームに変貌します★このゲームの楽しさを生み出すのは年齢ではなく、想像力やイマジネーションの豊かさと、この素敵な物語が生み出される時間を楽しむワクワクした気持ちだからです。「大人が持っている知識の深さや広さ」と「子供が持っている自由な想像力や常識にとらわれない発想力」がお互いに掛け合わさることで、ストーリーとして破綻しないワクワクする話が出来上がり、大人と子供が混ざってプレイすることが両者にとって相乗効果を生みます。親子で絵本の読み聞かせをする代わりに一緒にプレイするという遊び方もオススメです。小さなお子さんがいるご家庭には、絵本を買うつもりでこのゲームを1つ所有されると良いのではないでしょうか。
もし空想で物語を創るのが上手な人がいればまるで小説を楽しむような素敵な時間になるでしょうし、笑いのセンスあふれる人が参加していれば落語のように笑いの連続かもしれません。むかし笑福亭鶴瓶が「らくごのご」というテレビで、お題を観客から貰って即興で話をつくる『三題噺』という落語をやっていましたが、あれに近い感じです。