イマジナリウムプレイしましたので紹介します。
夢が作られる「夢工場」という設定です。とにかく世界観とアートワークが凝りに凝ってます。
どんな世界観か、僕のつたない引き出しを探って表現してみます。
まず骨格にはミヒャエル・エンデがいて、原風景にはHRギーガーがある気がします。それらの上層に構築された、現代的なダークファンタジー世界という感じでしょうか。
映画だったらティム・バートンが思い浮かびます。ナイトメアビフォークリスマスとか、(工場つながり)チャーリーとチョコレート工場、バットマン(プリンスの主題歌PV含む)。あと、作家だとニール・ゲイマン(の映像化作品)。映画コララインとボタンの魔女はかなりこのゲーム世界とイメージが近いし、ドラマ版のアメリカン・ゴッズの中の神話シーン/異世界シーンはグロさの方向性がすごく近く感じます。もっと的確な引用がある気がするので、趣味がちかい人と情報交換がてらちょっと語り合ってみたいです。
さて本題。ゲームを紹介します。
セットアップされたボードを説明するだけでゲームの全体は把握できますね。
左上は、達成タイルです。毎ゲーム違うタイルが置かれ、書かれていることを達成すると勝利点が入ります。右上は三人だけ雇える「助手」で、全員能力が違い、雇い主のプレイヤーを強化します。
真ん中の資源ボックスの両脇と下は、アクションと手番順を管理するレーンです。まず、プレイヤーは自分が動かすこれらの派手派手なミニチュアコマを、手番順にレーンの上の好きなところに置きます。レーンは「機械」と呼ばれるカードを買うか、収入(黒炭が貨幣)を得るかのどちらかです。レーンの左ほど割高、一番右だと大きな収入が得られますが、次のラウンドの手番順は割高のアクションの人の方が先になります。資源ボックスの右の気持ち悪い口は、廃棄カード置き場です。しゃくしゃく食べられちゃうわけですね。
個人ボードです。このゲームはついたてで、持っているお金や資源を隠します。
「機械」は、他のプレイヤーを攻撃する特殊なものも中にはありますが、基本的には、3種類(木材 < 銅 < 水晶)ある資源や、貨幣である黒炭を生産したり、安い資源から高い資源を生んだり、資源の数を増やしたり、勝利点を生むことかメインのはたらきです。機械は一回つかうごとに壊れてしまうという設定で、特定の資源を入れるとまた動きます。
また、同じタイプの機械や、効果につながりのある機械は合成して強くすることができます。
ゲームとしては、助手や機械の獲得はもちろん早い者勝ちなので、手番順のコントロールもまあ重要です。ですが,少ない資源や欲しい機械が手に入らないじりじりの中で、やりくりし,よりよい機械を買ったり、合体させたり、または助手の力で自分を強化して資源を増やし、勝利点を稼いでいく点、つまり「カードコンボによる拡大再生産」が中心のゲームと言えます。
以下,徒然に感想を述べます。
プレイヤー同士の勝利点と資源が完全に隠されていることは、ゲームのプレイ感を軽くしていますが、より世界にひたりやすくさせたい、というデザイナーの意図な気がします。だれかが衝立のむこうで20点をとったらゲームが終了しますが、この20点という点数も生産体制が整って気持ちよく生産はじめたころにちょうど終わる、という絶妙なところで設定されてて好感触です。
攻撃系の機械の効果がとても強いです。防御のカードもあるし、攻撃対象は個別のプレイヤーではないので、ヘイトもたまりにくいかと思います。しかしそもそも拡大再生産のゲームに、攻撃システム自体必要か?とも思いますが、ダークな世界観のための演出なのかな、とも思います。
一点だけ、不満があります。写真にあるような、B-1からB-5までのステップをすべてのプレイヤーが順番にやる点です。機械の合成や生産の順番はそこそこ悩みどころが多いので、けっこうなダウンタイムが発生します。攻撃や助手の購入で手番順が重要なのはわかるのですが、もっと手番を細分化して欲しかった。
不満としてあげるのはその点くらいです。
細部まで世界観をつくりこんだすばらしいゲームで、ゲームの中身もしっかりしているゲームです。100回以上プレイしたくなるゲームではありませんが、最低でもあと2回くらいはプレイして、コンポや効率的なパスを探して見たい!