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  • 2~4人
  • 120分前後
  • 12歳~
  • 2021年~
(3.6)

インペリアルスチーム

メーカー:engames

1営業日以内に発送可能
日本語ルール付き/日本語版
ウィーンからトリエステへ。あなたの鉄道網を拡大しましょう!

 産業化時代の幕開けです。あなたは工場を稼働するため、また、線路を敷設して鉄道網を拡大するためにさらなる労働者を必要としています。そうすることで、工場から大都市圏への商品輸送が可能になるでしょう。ただし、収益性の高い公共契約を履行するために商品を確保しておくのを忘れないでください。なぜなら、鉄道網がトリエステまでつながれたらすぐに、あなたの純資産が勝敗を分けることになるからです。

 「インペリアル・スチーム」は高度に戦略的にもかかわらず理解しやすい経済・物流ゲームです。勝利を確かなものにするための厳しい競争の舵取りをしながら事業を運営するにつれて、あなたは困難な意思決定を迫られることになるでしょう!

 南オーストリアに敷設されている鉄道をテーマとした重量級の経済ゲーム。鉄道敷設のための借金のタイミングと額が戦略の大きな分かれ目となります。ワーカープレイスメントゲームですが、排他性のないアクションドラフトですので、他プレイヤーにアクションを邪魔されるようなことはありません。その分、アクションが要求するコストがシビアに設計されており、計画的に先々を考えたアクションを行わないと、途端に破綻をもたらしてしまいます。

レビュー 4件

レビュー
698名が参考
3年以上前

ウィーンからトリエステへ、綱渡りの経営を乗りこなし産業時代の幕開けを制すのだ。


○イントロ

 中央ヨーロッパ〜南ヨーロッパを舞台に会社を運営しながら鉄道網の拡大を目指す。鉄道網を構築するには大都市から労働者を雇い資材を集めて敷設せねばならない。しかし、それを成すには大量の資金が求められる。資金は投資家からの投資、荷物の運搬により大きく稼げるが、一筋縄では行かず定期的な収入は雀の涙しか貰えない。このカツカツの状態から上手く雇用費、材料費、車両費をバランス良く捻出して経営を好転させよう。いつだって最初の一歩を踏み出すのは大変だ。

○良い点と悪い点

 ※面倒くさかったらここだけ読んで下さい。

◎良い点

・シビアなプレイ感

 →毎ラウンド金銭を使い切って足らぬ位の懐事情でヒリつく苛烈なイニシアチブ争いを強いられる。1手を先んじられればそれが平気で取り返しのつかない格差を産みかねないバランスゆえに蒸気の時代やブラスのようなタイトな経済ゲーが好きなら楽しめるかと。

・豪華なコンポーネント

 →ここのメーカーの中ではお安め価格でタップリのコンポーネントが詰まっておりお得感がスゴい。駅タイルなんかプレイヤー人数毎に23枚づつのセットがある狂気っぷりだ。テーブルに収まりきらない盤面なのに送料込で1万を切る安さ。

・言語依存が無い

 →盤面に言語依存は無し。公開訳もあるので取っつきやすい。

◎悪い点

・救済が無い

 →システムを理解できないと収支が改善出来ず容易に順位争いから脱落する。金が無さすぎて毎ラウンド10金もらって終わりみたいな自体に陥りかねない。最近の作品とは思えないくらいシステムがプレイヤーを助けない容赦の無さ。

・コンポーネントが安い

 →量が多くてスゴイのは分かるがボードが反る、カードが直ぐ折れる、コマが多過ぎてボードに凹みが付くなど…。カードの折れと凹みは良いんだけど、ボードが反りまくるのはプレイしにくいので勘弁して欲しい。

○遊んでいて良かったところ掘り下げ

まず最初に語るべきはクソデカボードと圧倒的なコンポーネントの量だろう。

メインボード。中央はオーストリアからイタリアへの地図が書かれたメインマップ。上はラウンドカウンター兼車両置き場。下は手番順や勝利点、労働者の雇用に関わる影響力トラックと購入可能な資源を示した市場トラックがある。

個人ボード。上部はラウンドオーダーのサマリ。真ん中は自分の管理する列車の状態。列車は各種資源を保管できるほか、客車を引いて収入を上げることも出来る。左下は従業員エリア。従業員のレベルやラウンドで使用したかを管理する。右下は資源置き場&工場置き場。次ラウンドに獲得する資源の仮置や建築した工場の仮置をしておく。左のボードは株価ボード。今の株価と投資家の管理を行う。また、見れば分かるほどに個人ボードはそり返っている。プレイ時は届いて直ぐだったが、この有様だ。

アクションタイル。11枚のタイルから手番毎に実施するアクションを選びタイルの上にトークンを配置する。同一ラウンド中に同じアクションを選択するとペナルティで影響力が下がる。バツの書かれたタイルの隣にあるカードの山は契約書、本来はディスプレイされるのだが、スペースが足らずに山になっている。

忘れていたが更に各種資源の価値と生産の為の工場を置く工場ボードもある。とんでもない物量だ。必然的に情報量も増えるので常に状況を冷静に判断して思考を取捨選択出来るスキルも求められる。

次にプレイ感について。プレー感は厳しい。蒸気の時代の終盤に収支が逆転する様なカタルシスも乏しい。淡々と線路を引き、契約を達成するための工場建設を行う。ドライなプレーではあるが、着実に自分が行った結果が積み重なったものが残るのはしっかり楽しい。マゾゲーなのは間違いない。

特にマゾいのは資金繰りの部分。今作の資金稼ぎは毎ラウンド収入フェイズで入るストック型収益と投資家からの株式借り入れ、都市に資源を売却して得るフロー型の収益がある。そして全部が何かしらのデメリットを持つ。

ストック型収益の難点

・上げづらい

→上げるためには特定の都市にあるビジネスチャンスチップを獲得して列車を客車にランクアップするか大金を支払って駅舎を建てる必要がある。前者はまず他人と競合するレースに勝って先に入った上で資源保管スペースを削る事で獲得出来る代物である。後者は単純に資金がキツい。

フロー型の収益の難点

・株式は準備とペナルティがスゴい

 フリーアクションとして投資家トラックから任意の個数を配当ゾーンに移動することで現在の株価×投資家の人数分の資金を獲得出来る。しかし、ゲーム終了後に配当ゾーンにいる投資家1人につき総資金額の10%を支払う重めの義務が生じる。また、投資家は株価の位置以上のトラックに配置されている人からしか資金は受け取れないため、大金を得るには株価の上昇と投資家集めを並行して行わなくてはならない。株価を上げるには貴重な手番と影響力を払うかビジネスチャンストークンを使わねばならない。投資家を得るには契約を締結せねばならず、契約はゲーム終了時に大金を獲得出来るが資源置き場を専用に割当て使用不可にし、かつ該当する工場を建てる必要がある。副次的にやることが一気に増えてしまうのである。その上、契約カードの総量は全体で15枚しかないという容赦の無さ。

 資源の売却、点在する中枢都市に早い者勝ちで資源を売却する。プレイヤー全体で保有する工場の総数が増えるほど金額が減る。1番デメリットが無いが資源の調達手段によっては赤字になることも。

 あまり触れていないが線路を引くのも大変。資源を買ったり生産した上で大量の労働者を使用せねば線路が引けない。これが苦しい。なんせ労働者は大金を払って雇うけど資源を獲得するために工場を建てると居なくなる。更に労働者にはランクがあり優秀な労働者を使って工場を作らないと資源はまともに算出されないのも辛い。線路の為に労働者を残すか工場に送るか苦悩の決断を強いられる。


○逆にダメだったところ。

・コンポーネント

 物量は素晴らしいが質は嘲笑モノ。最初から個人ボードは反っているし、お金カードはちょっと力を入れただけで折り目がついてしまう。タイルが破れなかっただけマシではあるが、ゲームがなまじ良い作品だっただけにここは惜しまれる。

・セットアップ

 とにかくに準備に時間がかかる。セットアップとインストだけで1時間は見た方がいい。駅を並べ、アップグレード列車を積み重ね、工場や資源をボードに並べ…etc.けっこう面倒くさい。一瞬このセットアップするなら別ゲーやった方が良いのでは…、と感じてしまった。


以上。長々と書いたがマゾゲー好きなら楽しめる。リプレイ性もかなり高いので気になった買うのもアリだろう、日本語版も出るし。

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kanamatan
kanamatan
レビュー
647名が参考
約2年前

日本語版が発売されました!ブラスや蒸気と似ていますが、機関車の車両編成ができます。


このゲームはスゴイ。システムが緻密に計算されているのが分かります。

bgg4.2の超重ゲー。説明書には、「過酷な展開になる」「完璧にプレイするのはやめましょう」「失敗しましょう」と、書かれています。

こんな挑発的な誘いに黙ってもいられず遊んではみるものの、カツカツを余儀なくされ、しかし、巧妙にギリギリの線で資金が繋がるような伏線が用意されていて、「頭を使えばやっていけるよ」という天の声が聞こえます。

この計算され尽くした戦略迷路に、どうすれば金が稼げるか、否応無しに頭がフル回転となります。この完成度にまず感動です。


まずは、マップの解読が必要です。どの都市に繋いでいくべきなのか。しかし、このゲームは、ラインコネクトが主目的とは思えません。ラインコネクトで悩むのは、他プレイヤーの線路に後から敷くと10金渡すのがイヤだからです笑

この最低単位の10金が非常に重みのある超戦略ゲームなのです。


ブラスや蒸気よりも難しいのは間違いないのですが、ただ、プレイの流れは見通しが良いので、どうやってお金を増やしていくのか見えた途端に、楽しくてこのゲームにハマってしまいます。(ハマりました)

ワーカー2つのワーカープレイスですが、第二ラウンドから一つずつ増えていき、第四ラウンド以降はワーカー5つになります。全8ラウンド。アクションは11個。

1 線路敷設(コスト:木材、石、鉄、労働力を満たす)

2 雇用(コスト:お金、影響力を満たす)

3 駅または工場建設(駅コスト:お金、工場コスト:お金、社員)

4 生産

5 購入または注文(コスト:お金)


6 機関車購入または改造(コスト:お金)

7 契約(コスト:貨物車両を潰す)


8 慈善事業(10金単位で影響力+1)

9 株価を上げる(影響力を下げる)

10 資金調達(10金貰う)

11 パス


アクション数は多いかもしれませんが、特に超重ゲーではアクションサマリーを使わないように工夫したいです。

「8〜11はメインアクションとは言えず、また、6、7も中盤以降に行なうアクションなので、実際は、線路、雇用、建設、生産、購入の5つを回していく」と分けると覚え易いです。

↑  終了時。メインアクションが1線路、2雇用、3建設、4生産、5注文ということがよく分かる。7契約アクションは中終盤に手を出すアクション。自分もしくは他プレイヤーが終点トリエステに到着した時だけ発動する終了時ボーナスだ。下は雇用トラック(これは2プレイ用。例えば4人プレイだと2列ずつある)。初手で10金と20金の二人は買っておきたい。



【第一ラウンドの考察】

このゲーム、第一ラウンド初手は決まっています。それは「雇用」です。労働力を増やして線路を敷く準備をします。建設(駅)、生産はアクションが不可能。線路敷設もマップによりますがほぼ不可能。建設(工場)はできます。急ぎたいアクションでもあるのですが、ただ、工場建設では社員を1人派遣(失う)しなければならず、線路が2本敷きにくくなり、生産力も最弱なので早計なのです。工場は「輸送」ができる体制が整う前後に造るのが自然です。また、初手「購入」もあり得ます。しかし、スタート時、市場には沢山の10金資源があるので焦る必要はありませんし、先に線路を敷かないと、保管場所ができません。

となると、第一ラウンドは、雇用をして→線路敷設をするしかありません。そして、線路敷設を急ぐ理由もあります。それは、「事業トークン」と「拠点都市」です。この2つがズバリ、序盤の小さな目標となります。

拠点都市はボード上に4つあり、全員のスタート都市ウイーンから、これらの都市のどれかに繋げておくと、「輸送」を行なうことができます。輸送するのは、木材、石、鉄、石炭の4種資源。なので自分の線路網のどこかに工場を建てておけばOK。輸送はフリーアクションなので、例えば木材工場を作っていれば、工場の木材を一つ(と、燃料の石炭1つ)を払って70〜100金程度の大金が入ります。輸送もスペースの早取りなので、とにかく急ぎたいのです。まずは輸送都市まで繋げるのが絶対です。

もう一つは、事業トークンです。これは先取りのボーナスで、ランダムな都市にセッティングされています。例えば、事業トークン「2」がある都市に繋げたとすると、自分の機関車の貨物車両を2つ、客車に変えることができます。客車になると、ラウンド終了時一両につき10金の収入となるので、これはぜひとも序盤から客車に変えておきたいところ。ただし、客車に変えると、その分貨物車両が減るので、資源が載せにくくなります。しかし、それでも、各ラウンドの収入が上がるのは非常に大きいことです。また、客車の代わりに、(後述する)株価をコスト無しで一気に2上げることができます。これも相当強い手ですが、序盤に行なうと金欠になり危険です。

本当は、線路敷設は一アクションで2本敷けるので、2本敷きたいのですが、労働力が(初期2+雇用で2人買って2だとして)も4しかないので、1本しか敷けません(後述)。しかし、第一ラウンドは1本でも敷いておきたいです。


【第二ラウンドの考察】

第二ラウンドも、線路を敷設延長して拠点都市に繋げ、工場を建てるのが第一目標です。今度は、スタート時にあった木材、石、鉄の3点セットが無いので、注文アクションが必要です。注文は、購入が資源1個しか買えないのに対し、複数個一気に買えますが、実際に入手できるのは次ラウンドになります。したがってこのラウンドは線路敷設をしません。社員達は、働かないラウンドではレベルアップをしますので、敷設作業を休ませるのもいいことです。

線路が敷けないのであれば、工場をこのラウンドで一つ買っておきたいところです。工場を沢山作って生産アクションを行なうと、各工場から1つずつその色の資源が取れます。

↑ メインボード下部が影響力トラック。この影響力マーカーが拠点都市マーカーよりも低いと、その都市から雇用ができなくなる。そのため、同ラウンドに同アクションを踏むのは、終盤まで基本的には避けたい。(影響力が−1になる)。メインボード上の工場の敷地も取り合いとなる。始発駅のウイーンに、4人プレイだと5箇所工場が置けるので、置くのはここから。左下に終点トリエステがある。


ただ、もう一つの候補、駅の建設も魅力的です。この工場と駅は、同じ建設アクションなので、同ラウンドに同じアクションスペースにワーカーを置くことになり、影響力が−1されるので、どちらか一つにしたいです。

スタート時、全員「IS-3系」の機関車を持っています。しかし貨物車両3両編成なので、貨物車両を客車に変えるとすぐに資源の保管場所がなくなります。駅は、各プレイヤー2つ建てることができますが、駅を建てると収入が10金アップするのと、保管場所(倉庫)が1個増えます。(下の写真の下中央)。これは序盤とても助かります。また、一筆書きのように置かなければいけない線路が、分岐できるようになるのも魅力です。

↑ スタート時の「IS-3系」を改良した「IS-4」系と第五ラウンドで購入した「IS-7系」。「IS-7系」は購入すると影響力+2も付くので一番人気だ。この写真は終了時のもので、ほとんどが客車に改造され、客車もトリエステと契約をしたので、契約マーカーで封鎖されている。写真左上にあるのが契約書。契約を達成する条件は、自分で建てた同じ色の工場を置くだけ。なのでこのゲームでは、契約とは工場を建てることを意味し、あとは(誰かが)トリエステに到着するだけ。

写真左下が線路を敷くときの労働力。この写真ではこのラウンド、労働力2の社員1人と労働力3の社員2人計3人が同時に働いていることが分かる。労働力の合計値は8なので、この8を使って2本の線路を敷いた。各都市タイルの左上にある数字を2つ足して8以内だったら、2本同時に線路が敷ける。


写真右下は個人株チャート。このゲームでいう借金は、正確に言うと借金ではなく、利益を得るための株売りを意味します。そもそもこのゲームでいう株とは、複数の株価を操作する分離課税ではなく、終了時の総資産に基づく、言わば累進課税となっているのが珍しいです。例えば、この写真の場合、880金で終了。しかし、株を1回売っているので、この880から10%引きとなり、792金でゲーム終了。この株売りは、手番中に株価のラインまで株主を捨てることで売ることができます。この写真の場合、まだ90金を2回分手に入れることができますが、それを行なうと、終了時1060金となり、30%引きで、742金で終了となります。これは先程の792金より損。もし株主を一人だけ90金で売っても、970金の20%引きとなるので、776金。これも損。したがって、1回だけ売ったこの状況が一番得だということです。


第二ラウンドを乗り越えたら、あとはこの重ゲーも軌道に乗ると思われ、初見でも金欠で脱落するようなことも無いと思います。


■戦略としては、まず「トリエステ急戦戦略」がある。これは速攻でトリエステまで行き、ゲームを終わらせ、到着ボーナス(線路の数×10金)を狙う。また、契約書を最低1枚持っているプレイヤーは、自身がトリエステに繋がっていなくても、擬似的に無理矢理トリエステに繋げなければならない。つまり、トリエステに繋いだプレイヤーの線路を使ってトリエステまで行ったことにしなければならない。そして、他プレイヤーの線路一本を借りるごとに20金そのプレイヤーに支払う。実はこれが一番痛い。契約は一枚370金のものもあり、大金をせしめられるが、合流地点が遠いと、逆に大金を他プレイヤーに支払うことになる!

■それを守る手としては、契約書を取らない。または、速攻を仕掛けているプレイヤーの線路に合流しておくこと。これなら、被害は最小限で済む。特に、契約書を持って一人だけ違う方向に線路を進めてる場合、速攻には気を付けたい。が、逆に言うと、自分が速攻を決めれば、大勝する可能性がある。

■怖い戦略だが、株価240金戦略はあり得る。株価はアクションや事業トークンで簡単に上がる。その代わりコストとして下がるのは影響力マーカーなので、雇用に問題がなければ単価240金は簡単に実現可能。そして株主を増やすのは、契約アクション。レベル3の契約書を取るだけで株主3人が増える。例えばレベル3を2枚取れば、株主が6人増え、240金を2回分売れ、480金手に入る。これは20%引きでも、総資産が2400金にならない限り損はないので、間違いなく大儲けだ。

■なお、全プレイヤー、トリエステに行かないで終わった場合、契約書は完全なる無意味となり収入も罰則も無かったことになる。これは、(手損ではあるが)株主の取り得!!誰もトリエステに行かない(行けない)ような持久戦の時は、積極的に契約から株主を増やしたい。

■現実的には、どんな戦略でも株価は90〜130金まで上げて1回または2回売っておきたいところ。当然、ゲーム途中大金が入ると、拡大生産が進む。怖くて1回も売れなかった人は、最終ラウンド、フリーアクションなので、アクション後に売ればよい。ただし、株価40〜60金の時は、総資産にもよるが、下がってしまうので注意。(暗算する必要がある)

■輸送はスペースの早取りだが、競争したくなければ、他プレイヤーと違う種類の工場を作ること。あるいは、別の拠点都市を目指すこと。これなら、資源スペースの取り合いにはならず、ゆっくりできる。

■もう一つの戦略は、石炭輸送戦略。石炭を輸送する場合だけは、大金は即時で貰えない。石炭の価格は、終了時の都市影響度の値。都市影響度も、全プレイヤー、拠点に輸送するのは間違いないので、各都市概ね100金以上になる。また、4つの拠点都市マーカーより自分の影響度が上の場合、ボーナス100金も入る。この戦略もかなり強力だが、他資源と違ってゲーム中大金が貰えないので、かなり通な戦略だ。

■メインボード上には、国鉄が走っている区間がある。この区間だけは、アクション要らず(つまりコスト要らず)、フリーアクションでお金を払うだけで線路が敷ける。

■先程の写真のラウンド収入は、客車8両+倉庫3(駅を取り除いた跡)=110金なのだが、終了時にも収入は貰え、ミュルツツーシュラーク、グログニッツ間を結ぶ「ゼメリング橋梁」に敷設した場合、その収入は2倍となる。つまりこの場合終了時220金!貰うことができる。

■「IS-7系」を持ってしまえば、第七ラウンド以降に「IS-8」系を買う必要はほぼなくなる。「IS-8系」の存在意義は、「改良して+3影響力を貰う」こと。特に石炭輸送戦略の場合は、「IS-3系」→「IS-7系」→「IS-8系」と必ず最低2回は改造する。これだけで影響度は+5、つまり石炭単価が50金上がる。


ゲームスタート時の影響度トラックの競りは楽しいのですが、初見の人がいる時は、競りではなく、二拠点都市確定の50、60、70、80金をランダムに振り分けるか、ドラフトにするヴァリアントが親切だと思います。(経験者が残り物を選択するようにする)。何も知らず例えば40金以下にしてしまい、二拠点都市を確定していないと、ラス手番で、雇用が割高となり、買えなくなってしまいます。(二拠点あれば4列あるので4人プレイでも確実に10金、20金で買える)


戦略も沢山あり、どれも長所と短所を含ませていること、また、マップの解読が必要なため、リプレイするたびに戦略をどうするか頭を悩ますことになります。そう、何回も遊ばなければ、決して面白さが見えないし、分かった途端、大好きとなるはずです。時間も第三ラウンドまではサクサク。逆に終盤の攻防は、契約を取るか取らないかを含め、見所が沢山あり、盛り上がります。ゲーム終了も第八ラウンドまで行かずに終わることもあるので、結局2時間でまとまります。

ここまで戦略に頭を使わせ、それでもなおかつ全てバランスよくプレイできるのですから、鉄道ゲーム、いやラインコネクトはしばらくインペリアルスチームで十分満足です。満点!



※ レビューにご感想・ご不明な部分等ございましたら、ご遠慮なく下にコメントください🙂

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荏原町将棋センター
荏原町将棋センター
レビュー
551名が参考
約3年前

このゲームは最終的に稼いだ金の額で勝敗を決する。

金はゲーム中に駅、工場を建てる、列車、資材を買う、

人を雇う、ステータスを上げるなどでどんどん使う。

最初持ち金はあるがラウンド毎の固定収入はわずかで、

ゲーム中はすごく金がきつくなる。


そこでフリーアクションで借金が出来るルールがあり、

これがとてもユニークで面白い。

自分の株価次第で一度に借りられる額が決まり、

最初は最低限の額しか借りれないが、

条件が良くなれば数倍の額が借りれる。

それでも序盤では最低限額で借りることもある。

そして返済はゲーム終了時、

すべての収入を得た後に行う。

1回の借金返済は所持金総額の10%となる。

3回借金していれば所持金は30%減となる。


最終的に稼げる金額を想定し、

何十%まで払っても勝てるかを考えながら借金する、

まことに悩ましい借金ルールです。


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異人館
異人館
レビュー
193名が参考
12ヶ月前

オーストリア南部鉄道がテーマの鉄道ゲーム

手元の資金がそのまま勝ち点となる為、どうやってお金を稼ぐかがポイントになる、鉄道を敷き、工場を建てて、輸送して、ギルダーを稼ぎつつ、トリエステのゴールを目指さないといけない。対戦相手との早い者勝ちな部分と、手番順の絡みもあり、非常にマニアックな濃い内容の内容。鉄分補給120%間違いなしの名作枠。

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勇者
クラリス 33
クラリス 33
  • 商品価格¥9,900(税込)
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