スチール製の小さな缶に入ったコンパクトなカードゲーム。
1934年のニューヨークを舞台にしたギャングどうしの抗争をテーマにした作品です。
とっても軽そうなゲームに見えますが、なんと実際にはがっつり思考するタイプのゲームでした。
カード枚数もそれほど多くなく(内容のカードの半分はそもそもお金だし)、ケースの小ささから、ボドゲ会の最後にちょっと時間調整的にやってみる?といって始めてみたところ、思ったより時間がかかってしまいました。(パッケージには10~20分とありますが、インスト込みで40分くらいはかかったかな。)
あと、このゲームで絶対に言っておかなきゃいけないのは、カードゲームなのにものすごい場所を取る!!
僕らが使っていたテーブルは、割と大きめのものでしたが、それでも全面を使っていっぱいいっぱいでしたよ!ここ注意です。
テーブルには、横に「アガリ」を搾り取る「ショバ」カードを並べますがこれが2~9までの8枚。縦にはそれぞれの組(プレイヤー)の置き場を作ります。(この時点で、表示用のカードも含めて縦5列、横10列のカード置き場が必要です。)
さらにこれとは別に(!)「ギャングたちのたまり場」(競馬場やバーなど)カードを9枚横に並べ、その下に、たむろするフリーのギャングカードを重ねて置く場所を作ります。
本当ならこれ絶対ゲームボードが必要な内容ですが、あえてボードを省き、大幅なコストダウンをはかっている点を評価していいんだか悪いんだか…。
僕は個人的には雰囲気ばっちりのボードが欲しかったなあ。
でもそうするとパッケージも価格も数倍になっていたんだろうなあ…。
ゲームは前述の通り、わりと考えますよ。
各組には最初に軍資金18ドル(少なっ!)を渡されます。
この軍資金はゲーム中ほとんど増えません。(ショボっ!)
これを元手に、フリーのギャングたちがいるたまり場に伏せてあるギャングカードを見て、その中の1枚を選んで取ります。
このときたまり場には2~5枚のギャングが置いてあるのですが、「その枚数に等しいお金」を支払わなければなりません。だから5枚あったら5ドル払うわけね。でも好きなギャングを選べるので、有利といえば有利。
ただし必ずそこに強いギャングがいるとは限らないところがミソ。
でもそうすると枚数が1枚少なくなるわけですから次のプレイヤーは4ドルで全部見れるわけですね。
当然その場所のギャングカードは全部見ているわけですから、どんなギャングが残っていたかは覚えておけばいい!というハナシですね。(当然途中からわからなくなります。笑)
ギャングを雇ったら続けて、どれかのショバに配置します。
最終的に各ショバごとに「最も強い」ギャングを置いている組がそこのアガリをかせいでいきます。
このときわざと「伏せて」置くことで、情報のかく乱を図ることもできますが、追加で1ドル払わなければなりません。(ただでさえお金ないのに!)
これを繰り返して、全部の軍資金を使い切ったらおしまいで、基本的にアガリの合計が最も多い組の勝利です。
このように限られた軍資金をどう投入するか(先に使い切ったらパスしかできません!)で悩み、ギャングを送り込むショバも、高いところであえて張り合うのか、低めのところで確実を期すかで、どこにするかで悩み、公開して置くか(強さがバレバレです)お金がかかってでも伏せるか悩み、けっこう長考します。(重いゲームの後だったのとアルコールでみんな疲れていた、というのもあったかな。笑)
各ギャングには特殊能力もあり、ちょっとお金がもらえる「スリ」とか、同じショバのギャングをぶっ殺せる「暗殺者」とか、伏せてあるカードを見れる「スパイ」とかがあり、単に強い弱いではないだけでなく場が動くカードがあるのに加え、中には店のアガリが増える(店が繁盛するのか、効果的にカツあげてくるんでしょうなぁ)やつとか、逆にアガリが減る(そいつがいると店が流行らなくなるのかな)やつとかまでいますので余計に考える展開。
「あ、その顔はさてはいい手下を取りましたね。」
「ううう、でもお金が厳しい」
「うちの店には来ないでね」
「ふふふ、ここに送っちゃいますねー」
「ぎゃー暗殺者じゃねーか!せっかくのうちの部下があああ!やりやがったな復讐じゃ!」
「でもお金きびしいですよね、笑」
「くっそ~使いすぎた!」
という感じでした。なかなか楽しかったですよ。
ちょっと濃いおっさんカードばかりで、絵づら的には美しくないけど(笑)