2〜3人プレイ時の感想を書きます。
ワーリング・ウィッチクラフトは、5種類の資材を変換するカードをプレイして増やし、生まれた資材を右隣のプレイヤーに押しつけて溢れさせる、ちょっと変わったプレイ感覚のゲームです。
![](https://dm0una2imrs80.cloudfront.net/small_light(dw=1024,da=n,ds=n,q=80,cc=FFFFFF)/post_image_e7110c4a-78a7-43b1-9c77-b639b1fc7083.jpeg)
ラウンドが始まると、各プレイヤーは手札から一枚、目の前にカードを出します。
カードにはある資材を別の資材に変換するレシピが書かれていて、可能ならばそれを自分の個人ボードから取って資材を生み出します。
それを立体的な釜の形をしたコンポーネントに乗せ、右隣のプレイヤーに送ります。
この時、左隣から送られてきた資材が個人ボードのストック限度から溢れてしまった場合、左隣のプレイヤーの得点となり、一定数獲得すると即座に勝利する、という流れです。
そのラウンドで決着しなければ、手札を左隣のプレイヤーに渡し、右隣のプレイヤーから手札を受け取って、カードを一枚山札から補充します。(資材は右に、手札は左に回る)
次のラウンドでは、先ほどプレイしたカードが残っているので、新たに出したカードと合わせて、どんどん生まれる資材が増えていくのです。
とても単純な変換ゲームで、1ゲームも早ければ15分程度で終わる内容ながら、今までにないプレイ感に到達している斬新なゲームです。
プレイヤーは主に
・左隣から渡される資材を、溢れさせないように自分で使うためにカードをプレイする
・右隣のプレイヤーの溢れそうな資材を見越して、集中的に特定の資材を生み出せるようなカードをプレイする
・カードのプレイ時に条件を満たすと発動する「アルカナ」の能力を駆使する
こんな事を考えながらゲームを進めます。
やはり、なんと言っても常に両隣の動向に注意を払い続ける強いインタラクション(プレイヤー同士の相互作用)が、本ゲームの魅力になっていると思います。
資材を送る「攻撃」と、自分の資材を減らす「防御」を一体となって行わなければならないジレンマが、単純なルールの中にとても深く息づいていて、あっちもこっちも気にしながら大事な一手を決めていくのが非常に楽しいです。
手に入るカードはほとんど運のような部分もありますが、それ故に奇跡のカードが舞い込んで形成逆転、なんて事も多々あり、短いゲームの中に様々なドラマが生まれます。
そして単純な駆け引きで飽きないよう、プレイヤーにはゲーム毎に固有能力が与えられます。この組み合わせによって、今回右の人はアレに強いからこう攻めようとか、左がアレに強いから注意しようなどと戦略に幅が生まれ、飽きずに何度も遊ぶことができます。
完全に「アイデアの勝利」といったゲーム性です。メカニクス自体はよくある資材変換系で、上手く変換してたくさん資材を生み出す「リソースこねこね系」がメインシステムでありながら、それを他人に渡す/渡されるという一つの発想だけで、これ程までインタラクションの強いスリリングなゲームになるのかと驚嘆します。
カード一枚一枚のプレイがとても悩ましく楽しいので、是非とも遊んでみてください。
3人プレイだと、これらの要素を満遍なく味わう事ができます。人数が増えてもダウンタイムもほとんど無いので、小箱のライトゲーム感覚で始められるのも利点です。
2人プレイの場合、攻撃も防御も目の前のプレイヤーとのタイマンになります。
手渡すカードも往復するだけなので、また違った読み合いが楽しめます。2人専用の少し違った趣のゲームとして機能する、といったところです。
いずれにしても、遊びやすく、強いインタラクションがあり、しっかりボードゲームらしい戦略も楽しめる優れたゲームになるでしょう。
![](https://dm0una2imrs80.cloudfront.net/small_light(dw=1024,da=n,ds=n,q=80,cc=FFFFFF)/post_image_8be32623-b385-4947-9a99-cb6db681bdf3.jpeg)
コンポーネントも、立体的な釜が目を惹きますね。
カードをプレイしたり、木駒をちょいちょい摘んで動かしたりして、ボードゲームやってるな〜って感じの質感がありながら、1ゲームは短いので煮詰まったりもしない。
なかなかよく考えられたゲームとコンポーネントのバランスかと思います。
攻撃要素を持つゲームでありながら、攻撃感がなく、誰でもとっつきやすい仕上がりになっている楽しい作品です。
三人以上揃ったら、是非とも遊んでみてください。