マイボードゲーム機能「持ってる」「興味あり」など知人に共有できるコレクション管理機能。人数別や時間別などの並び替えも。
ボードゲーム発見機能マイボードゲームの登録データを統計分析し、未経験かつ未所有のおすすめボードゲームを自動抽出します。
レビューや日記の機能投稿した記事が読まれるたびに、通販でお得に商品を購入できるボドクーポンをGET! ハードル低めです。
コミュニティ機能専用掲示板・ボードゲームリストの合体機能が便利!公開コミュニティ、秘密のコミュニティ、設定も豊富。
ボドゲカフェ情報自分の「興味あり」「お気に入り」に登録したボードゲームカフェが提供するゲームが一目でわかるように。
通販ショップ国内主要メーカーや同人ゲームなど様々な商品をご購入いただけます。会員登録しないで購入することもできます。
クーポン
売り切れ
ルーンバウンド(第三版)
  • ルーンバウンド(第三版)当商品
  • 参考画像
  • 参考画像
  • 参考画像
  • 参考画像
  • 参考画像
  • 参考画像
  • 参考画像
  • 参考画像
  • 参考画像
  • 参考画像
  • 参考画像

「参考画像」は会員が当サイトのデータベースにアップロードした画像です。

  • 2~4人
  • 120~180分
  • 14歳~
  • 2016年~
(4.3)

ルーンバウンド(第三版)

メーカー:アークライト

日本語ルール付き/日本語版
テリノスの英雄となって、この世界を守れ! 大人気ファンタジーゲームの第3版が満を持して登場!

 伝説のファンタジー・ボードゲーム、「ルーンバウンド」が第3版となって帰ってきました! テリノスに再びようこそ!

 第2版からさらに時が過ぎ去った時代ですが、偉大な都市、強力な魔法と危険な敵は健在です。絶望山脈のめまいを起こしそうな峠の小道から、星降る森の隠された空き地まで、あらゆる場所に冒険が隠れています。

 このゲームではプレイヤーは英雄になり、選択したクエストに翻弄されながら、テリノスの大地で己を磨いてゆきます。古代の廃墟を探索したり、モンスターと戦闘したり、新しいスキルを覚えたり、町で買い物をしたりして、最終的に倒すべきボスモンスターに備えます。しかし、時は待ってはくれません。来るべき最終決戦のときまで、あなたは生き延びて、最強の英雄になれるのでしょうか?

 ルーンバウンド第3版は、2〜4人で遊ぶファンタジー・アドベンチャー・ボードゲームです。最強のボスを倒し、伝説の英雄になりましょう!

世界観/フレーバー/アートワーク

システム/メカニクス/ジャンル

レビュー 9件

レビュー
1995名が参考
8年弱前

ファンタジーボードゲームの名作である「ルーンバウンド」の3版です。

2版からはシステムが改定され、ヘックスマップやイベントトークン、地形ダイスなどコンポーネントの見た目は似ていますが、システムは随分変化しています。


■ゲームの流れ

シナリオが2本含まれていますので、プレイ時にどちらを行うか選択します。選んだシナリオにより、勝利条件(プレイヤーの目的)・敗北条件(ゲームの期限)が定義されます。

プレイヤーはそれぞれ自分のラウンドで移動・クエスト・買い物・スキル習得などを行い強く成長していき、「敗北条件」を満たしてしまう前に「勝利条件」を満たすことを目指します。

(例:マーガスの襲撃では、ラウンド2周目に登場するマーガスを倒したプレイヤーが勝利になります。また、2周目を過ぎるとマーガスはタマリアを目指して移動し、タマリアまで着いてしまうと全員が敗北になります。)


■キャラクター

キャラクターもシステム変更に変わり、大きく変わっています。なお、基本セットには6人のキャラクターが入っています。

・カードが大判になり、両面使用することになりました。

・裏面にはフレーバー、初期所持品、初期戦闘コイン、スタート位置が明記されています。

・表面には移動ダイス・ライフ・手札上限の各個数、判定・スキル上限用の3能力値、特殊能力が明記されています。


■成長

プレイヤーが強くなる方法は大きく「買い物」と「スキル習得」になります。


「買い物」は2版同様、4箇所の街を訪れ、公開されているアイテムを購入します。

今回は新たに交易品が登場し、例えば金貨0で購入した交易品を祠に持っていくと金貨2貰えるなど、戦闘以外の金貨の入手方法が可能になりました。

また、武器や防具を購入すると、戦闘用のコインも得ることがあります。


「スキル習得」では最近のファンタジーボードゲームのように、キャラクターがスキルカードを習得できるようになりました。(ディセントのスキルカードにイメージに近いです)

マップ中に散らばるクエストのチップをめくることでクエストに挑戦し、勝利するとクエスト種類の1経験点をもらえます。この経験点をスキルカードに書かれた種類・数を消費することでスキルを習得することができます。

また、キャラクターからは「スタミナ」が無くなったため、手札のスキルカードを捨てる行為(供出)が特殊能力のコストとして扱われるようになりました。


■判定

今回のクエストは2版の戦闘だけでなく、「特定の場所に移動する」「2つの選択(判定や消耗など)のどちらかを選ぶ」の2種が増えています。

2版の判定はd10ダイスでしたが、今作は能力値枚数スキルカードを山札から引き、「成功マーク」が1枚以上あれば成功というシステムに変わりました。


■戦闘

戦闘も大きな変更が入っています。

2版ではd10ダイスによる成否でどちらかがダメージ点を与えるシステムでしたが、今回はコインを使って敵と戦闘します。自分はキャラ固有コインと武器・防具のコインを振り、敵は敵固有コインを隣のプレイヤーが振ります。

コインには、「物理ダメージ」「魔法ダメージ」「1枚振り直し」「2倍効果」などの目が書かれているので、先手を取った方(金色の面が多い方)から1種類のマークを選び適用します。これを、自分と敵が交互に行い、どちらかのHPがなくなるまで続けます。


2版ではイベントの色で強さの違いがありましたが、今作は基本1種類のみで、ラウンド1周目・ラウンド2周目・ボスの順に1枚ずつコインが増えるという強さの違いの出し方をしています。


■その他

・PC間の戦闘は例外を除いてできなくなりました。

・ソロプレイはできなくなっています。戦闘時にコインを隣のプレイヤーが担当しないといけないのが理由だと思われます。

・海外では拡張シナリオ・拡張キャラクターが出ていますが、国内では出ていないのが残念です。


かなりのヘビーゲームなので気軽にプレイすることはできませんが、「武器や防具を揃え、成長し、ボスを倒す」正統派ファンタジーボードゲームをプレイしたい場合はオススメです。

続きを見る
閉じる
国王
あげだま
あげだま
ルール/インスト
1230名が参考
6年以上前

ルーンバウンド第3版(上から読むだけでインストになります)

 

■ はじめに

 プレイヤーは英雄です。英雄のフィギュアで表わします。ボードはテリノスという世界を表しています。今回はマーガスの再来というシナリオでプレイします。他に死者の王というシナリオがあります。

 敵はカードとして現れて来ます。またシナリオ・カードにあるボスは最も強い敵でこれを倒すことがゲームの目的です。

 協力ゲームではありません。ボスを倒した英雄が勝利します。

 

■ プレイ人数 24

 

■ 準備

 スタート・プレイヤーを決めます。以下では親(first player)と呼びます。プレイは時計回りに進行します。

 

1.ボード上の六角形の土地をヘックスと言います。アドベンチャー・マーカー(宝石です)27個(戦闘・オレンジ,探索・緑,交流・紫。各9個)をボード上の同じ色のアイコンがあるヘックスに置きます。


2.マーカーやトークンをまとめておきます。


3.シナリオ・カード(最も大きいカード)2枚のうち,今回は「マーガスの再来」を使います。この裏面にはハイロード・マーガスという赤い龍の絵が描いてあります。これがボスです。その右下の15という数字は体力値(Health)です。

・もう1つの「死者の王」というシナリオ・カードの裏面は黒いヴォラケシュ卿の絵になっています。

・物語カード(中くらいの大きさで,背が黒で星のアイコン)のうち表面の右下にシナリオに対応したアイコン(今回は赤い龍)のあるカード10枚をシャッフルして山札とします。

・シナリオ・カードの両面を読んで,やることがあれば行います。「マーガスの再来」では,物語トークンの,白く,十字の星のアイコンの面を知識トークンとして使うと書いてあります。反対の面はえんじ色ですが,特に指示はありません。

 

4.アドベンチャー・カード(中くらいの大きさ)は,背のアイコンで戦闘(Combat,オレンジの剣),探索(Exploration,緑の松明),交流(Social,紫の封筒)の3種類に分けます。それぞれについて,どのシナリオにも共通な一般カード20枚に「マーガスの再来」のシナリオ用のカード(表面の右下に赤い龍の絵がある)10枚を加えて30枚をシャッフルして伏せて山札にします。

 アドベンチャー・カードの内容にしたがって冒険して成功すると,アドベンチャー・カードをもらえます。そのとき,伏せて自分の前に置いておき,トロフィーと呼びます。トロフィーの状態では背のアイコンだけに意味があります。トロフィーを消費する(捨てる)ことで何かを得られます。

 

5.各プレイヤーは英雄を選びます。老モック(魔法の杖を持ち,鼓を背負う),コービン(背が低い,斧を持つ),ホーソーン卿(長い剣),リッサ(スカートがひらひら),マスター・ソーン(長い杖,長いひげ),深紅の森のローレル(弓)の6人があります。英雄カード(最も大きいカード)1枚とそのフィギュアを取って自分の前に置きます。

 

6.スキル・カード(最も小さいカードで背が赤の三角)を伏せて山札にします。

・英雄カードの表面(カラフルでない面。下方にゲームの開始時と書いてある面)を見てください。その右辺ゴールドのアイコン(高速道路のインターチェンジのような。丸に十字にも見える)と手札のアイコンがあります。ゴールドの数字は13で初期ゴールドを示します,この分だけゴールドをもらいます。手札の数字は手札の上限枚数です,親から順にこの枚数だけスキル・カードを山札から引いて手札にします。

 

7.英雄カードの表面の右下に描かれたアイコンを見てください。神殿(教会のようなアイコン),要塞(チェスのルーク),町(家と塔)の3種類があります。親から順に,フィギュアをボード上のそれと同じアイコンのある土地に置きます。ここがスタート地点になります。

 

8.親から順に英雄カードの表面の下方の開始時:と書かれた部分を実行します。

・老モックという英雄では,トロフィーを1枚得ます。つまり,アドベンチャー・カードの山のどれか1つの上から1枚カードを引き自分の前に伏せておきます。

 ・英雄カードの裏面を見てください。下部に特性値(Attribute)が書かれています。左から赤(拳のアイコン,肉体Body),緑(目のアイコン,精神Sprit),青(渦巻きのアイコン,魔法Magic)を表します。能力判定のときに使います。

 

9.アイテム・カード(Asset Card 財産カード)を伏せて山札とし,山の上から3枚ずつ引いて,ボードの右の辺にある都市名のところに3枚ずつ表向きに置きます。

 

10. 時間マーカー(青の1)をボードの左の辺の一番上の砂時計のマスに置きます。

 

〇 ラウンドの進行と時間表

・このゲームでは親から順に時計回りに1回ずつ手番を行い,これで1ラウンド終了です。ラウンド後に時間マーカー(time token)を1つ下に移動します。時間を表すマスは12個あり,まとめて時間表(Time Track)と言います。ゲーム開始から12ラウンドまでをアクト1と言います。

12ラウンドが終わったら,時間マーカーを裏返して赤の2の面にし,一番上に戻します。ここからがアクト2で,時間マーカーがもう一度時間表の一番下まで行った第24ラウンドが終わるとアクト2終了です。このあたりでゲーム終了となります。あるいはゲーム中に勝利条件が満たされるとゲーム終了です。

「マーガスの再来」のシナリオではアクト1の終了時にマーガスがボード下方の天落の砦に出現します。しばらくは移動しません。アクト2の終わりにマーガスがボード上方のタマリアへ向かって移動を開始します。タマリアに着いたら英雄全員の敗北です。そこに着くまでにマーガスを倒すのがこのシナリオの目的です。

 

〇 時間表-アドベンチャー・マーカーを復活させる

  時間マーカーが時間表の6番目と12番目の時間復活マス(〇が3つ描いてある)に移動したとき,ボード上のアドベンチャー・マーカー(宝石)で裏になっているものをすべて表にします。英雄がいるヘックスのマーカーは表にできません。

 

〇 時間表―物語カード

  時間マーカーが時間表の2,5,8,11のマス(星のアイコン)に移動したとき,物語カードを引いて指示に従います。物語カードについては後ほど。

 

〇 英雄カードの裏面(よりカラフルな面)を見てください。

 その右の辺にダイス,ハート,手札のアイコンがあります。ダイスは速度値で全員3です。地形ダイスを振る個数を表します。ハートは体力値で8から10,手札のアイコンは手札上限値で3または4で,おもて面の情報と同じです。

 

○ 英雄戦闘トークン

 ・英雄カードのおもて面の下の辺に英雄戦闘トークンのアイコンが3つあります。それぞれのトークン(紙の円板)をストックから取って持っておきます。トークンの右下にはそれぞれの英雄の絵が描いてあります。戦闘のときはダイスでなくこの戦闘マーカーを投げて出た面で戦います。戦闘トークンをたくさん集めると英雄が闘いに強くなります。

 ・老モックの場合,いちばん左のアイコンは,中心から6方向に放射状に伸びた星の形で,相手にダメージを与えます。真ん中のアイコンは翼の形で,敏捷性を表します。右のアイコンはNか稲妻のように見えますが,波動の能力を表します。

 ・コービンという英雄には斧のアイコンがあります。これは相手に物理ダメージを与えます。

 ・マスター・ソーンという英雄には真ん中に円が2つのアイコンがあります。これは,シンボルを倍加することを表します。このトークンの上に他のトークンを載せると,その効果の数字が2倍になります。

 ・深紅の森のローレルという英雄には真ん中に盾のアイコンがあります。相手からの攻撃を回避できます。

 

■ ボードの説明

  〇 地形は5種類

     六角形のマス(ヘックスと言います)には地形が描かれています。水場(青),森(濃い緑),山(灰色),丘(緑),草原(黄緑)の5種類があります。

 〇 都市が4つあります。

     ド-ンズムーア,フォージ,リバーウォッチ,タマリアです。都市では買い物ができます。休息場所としても効果的です。

 

〇 神殿と要塞と町にはアイコンが付いています。

・神殿はスパーの休憩所,イーストライトの炉,アリスの神殿,狂人の道,ハンターズ・サークル。要塞はケー・ロエク,ロドリック砦,南境砦,天落の砦,セリス城。町は穴倉町,赤い橋の北側,南側,マーケットタウン,ブライトヴェール,エヴァートン。

・これらはフィギュアのスタート地点になります。休息場所としても効果的です。

 

 〇 都市,神殿,要塞,町以外の地形を野外と呼びます。

 

■ 手札

 手札としてスキル・カードを持っていますが,このままでは使えません。スキル・カードの習得が必要です。あとで説明します。

 

■ 1手番に3アクションまで

手番プレイヤーは3アクションを持っています。アクションはカードでは右向きのカーブした矢印で表わされています。

 アクションを消費して行動します。同じ行動を2回以上行ってもよいです。

 行動は6種類で,

  1.移動

  2.買い物

  3.アドベンチャー。これは2アクションを消費します。

  4.休息

  5.訓練

  6.カードに記された右矢印

 

順に説明します。

■ 1.移動(Move

 ・英雄コマを隣接したマスに移動させます。1マス移動で終わりです。川を渡ることはできません。

 ・または自分の英雄カードに示された速度値に等しい個数の地形ダイスを振ってその目を利用して移動します。

 

○ 地形ダイスを見てください。

 ・1つの面は草原です。これを使うと今いる場所に隣接する草原に移動できます。

 ・他の面も移動方法は同じですが,1つの面に2つの地形が描いてあり,どちらかを使います。草原/森,森/丘,山/水場,丘/草原の4つの面があります。

 ・赤い円が描いてある面はワイルドで,どの地形としても使えます。

 ・ボードで川を渡って移動するためには,ダイスの水場の面を使います。

 ・ボードで都市に入るときは,ダイスのどの地形を使っても入れます。

 ・いま道または橋にいて,隣接する道または橋に移動するときは,ダイスのどの地形を使っても移動できます。

 

〇 カードを供出する

 ・カードを供出することによって,特殊能力を発揮できる場合があります。この場合,手札からスキル・カードを1枚捨てます。供出する回数に制限はありません。

 ・移動の場合,いつでも,カードを供出して地形ダイスを1個振りなおすことができます。

 

■ 2.買い物(Shop

〇 アイテムを買う

 ・都市にいるとき,買い物ができます。1アクションを消費して,マーケットにあるアイテムを買います。

 ・アイテムはアイテム・カード(最も小さいカードで,背は黒でゴールドのアイコン)で表わされます。

 ・マーケットには3枚のアイテム・カードが表向きに並んでいます。そこにアイテム・カードの山札の上から1枚引いて表向けにマーケットに並べて4枚にします。

 ・その4枚から1枚を選んで,それを買うか捨て札にするかします。

 ・買う場合はアイテム・カードの左上の数字(コスト)分のゴールドを支払います。コストは012です。

 

〇 アイテム・カード(Asset Card財産カード)

 ・アイテム・カードの下の辺に,その種類が書いてあります。武器(Weapons,赤),防具(Clothing,青),装飾品(Equipment,緑),移動具,商品の5種類です。

・プレイヤーは1種類について1枚までしか持つことはできません。もし同じ種類のアイテムを得たら1枚を残して他は捨てます。

 

○ アイテム・トークン

 ・たとえば「チェインメイル」というコスト4のアイテム・カードには右の方にA10と盾のアイコンが書いてあります。このカードを入手したとき,アイテム戦闘トークン(紙製の円板)のA10をもらいます。白と青で,盾のアイコンがあるトークンです。

・アイテム戦闘トークンはA0111B0111C01121枚ずつあります。

○ 売却

 ・買い物をする前に,自分が持っているアイテム・カードを売ることができます。それを捨て,カード左上のコスト分のゴールドをもらいます。

〇 商品(Goods

 ・アイテム・カードの下に商品と書いてあるものには取引値が書いてあります。このカードを捨てると,取引値分のゴールドが得られます。

 ・たとえばコスト0のアーティファクトには神殿のアイコンがあり,取引値2です。神殿で1アクションを消費してこのカードを捨てて2ゴールドを得ます。

 

〇 アイテム・カードの内容

 ・左上の数字がコスト,上がアイテムの名前,

 ・その下の絵の右のアイテム戦闘トークンについては先ほど説明しました。

 ・コスト4の「チェインメイル」は防具で,下に+1ハート(体力値Health)と書いてあります。肉体の特性値が増えます。他に+1渦巻き(魔法),+1拳(肉体)などがあります。

・移動具には+1ダイスなどの効果があります。

 

■ 3.アドベンチャー(Adventure)・・・2アクション消費

 

 表向きのアドベンチャー・マーカーがあるマスにいるとき,2アクションを消費してアドベンチャーを行うことができます。そのマーカーと同じ色のアドベンチャー・カードの山札の上から1枚引いて,解決し,マーカーを裏向けます。

 

○ アドベンチャー・カードには3種類があります。

・戦闘(オレンジ),探索(緑),交流(紫)です。

  ・それぞれに,次の3種類のカードが含まれています。

    ・イベント(Event

       交流カードの中に多く入っています。

    ・クエスト(Quest

       探索カードの中に多く入っています。

    ・敵(Enemy

       戦闘カードの中に多く入っています。

 

○ 能力判定(Attribute Tests

  ・イベントのカードの多くは能力判定を必要とします。能力判定では自分の英雄カードの裏面の下部に書かれた特性値(Attribute)を使います。

  ・老モックという英雄では,肉体が2,精神が1,魔法が2です。彼が紫色の「ルーンを鍛えし者」というアドベンチャー・カードを引いたとします。カードには2つのアドベンチャーが書いてあるのでそのうちの1つを選んで実行します。

 

 ・2つ目のアドベンチャー,魔法(渦巻きアイコン)の能力判定を行う,を見てください。老モックの魔法は2ですから,その枚数だけスキル・カードの山から引きます。引いたスキル・カードの中で,カードの右上に成功シンボル(丸の中に星型)があるものが1枚でもあれば能力判定は成功です。

 ・能力判定ではスキル・カードの内容は関係なく,成功シンボルだけを見ます。

 

 ・もし1つ目のアドベンチャーを選ぶと,精神(目のアイコン)-1の能力判定を行うと書いてあります。老モックの精神は1ですから,1-1=0で,スキル・カードを引けないことになります。

 

〇 成功したら

・「ルーンを鍛えし者」のアドベンチャーに成功したら,カードに書いてあるように,商品を任意のマーケットから受け取る,このカードは捨てる,に従います。商品については後で説明します。アドベンチャーニ成功することでアイテムを得たり,特性値が増えたりして,それで英雄が強くなっていきます。

 

〇 失敗したら

  ・アドベンチャーに失敗したら,アドベンチャー・カードを捨てます。

 

〇 引いたスキル・カードはすべて捨てます。

 

〇 カードを供出する

  ・成功シンボルのあるカードを1枚も引けなかったとき,能力判定を失敗とする前に,手札からスキル・カードを1枚捨てて,スキル・カードの山札から1枚引き,それで能力判定することができます。

 

 

■ 4.休息(Rest

1アクションを消費して,休息できます。

・都市,町,神殿,要塞で休息したときは,ダメージをすべて回復します(ハート形のダメージ・トークンをすべて取り除きます)。

・野外で休息したときは,地形ダイスを5個振って,現在いる地形の目1つにつき1ダメージを回復します。

 

■ 5.訓練(Train)・・・手札を増やす

 ・1アクションを消費して,訓練することができます。

 ・スキル・カードの山札から英雄カードに記された手札の上限枚数分のカードを引いて手札に加え,それから手札の上限枚数に等しくなるまでカードを捨てます。

 

■ 6.カードに記された右矢印(→)のアクション

・カードに記された右矢印はアクションを消費して何かを行うことを意味しています。たとえば紫のアドベンチャー・カードの「助けになる仲間」に1→を消費して,と書いてあります。

 

■ 物語カード

  ・ラウンドの始めに物語カード(中くらいの大きさで,背が黒で星のアイコン)を引く場合があります。それが特別クエストであったら,ボード上部のローマ数字のⅠ~Ⅵ(特別クエスト置場)のうち空いている最も小さい数字のところに表向きに置きます。そのローマ数字の特別クエスト・マーカー(紙製の円板)取って,カードの地図で示されたボード上のヘックスに置きます。ここで特別クエストが発生するのです。

  ・特別クエスト・カードの上に知識トークンを載せる場合があります。表が白で星のアイコン(裏は赤)の紙製のトークンを白い面を上にして載せます。特別クエストによって知識トークンが得られます。これを持っているとボスとの戦いで有利になります。

  ・物語カードには特別クエスト以外にアドベンチャー・カードのイベントのようなものや敵カードがあります。それぞれ効果を適用して,捨て札にします。

 

 

■ スキル・カード

 

〇 トロフィー(Trophies

・手元に伏せて置いてあるアドベンチャー・カードをトロフィーと言います。

 

〇 スキルの習得(learn a skill

 ・トロフィーを消費することで,手札にあるスキル・カード(最も小さいカードで,背が赤)を習得することができます。アクションを消費して何かの行動を取る前後に習得することができます。習得自体はアクションを消費しません。

 ・習得するにはスキル・カードの上部にあるオレンジ,緑,紫の丸(オーブOrbと言います)の分だけ同じ色のトロフィーを消費します(捨て札にします)。灰色のオーブは何色のトロフィーでもよいです。

 ・習得したスキル・カードは自分の前に表向きに置き,これ以降その効果が使えます。

 

〇 スキル・カードの内容

 ・左上はオーブで習得するのに必要なトロフィーを表しています。コストです。

・上にスキルの名前。

・下部に効果。戦闘ラウンドや能力判定や移動のときに使えるものや特性値を増やすものなどがあります。

 

〇 スキルの制限(Skill Limitations

 ・スキル・カードの左下に肉体(赤),精神(緑),魔法(青)のアイコンがあります。

 ・英雄カードの裏面の下の辺に肉体,精神、魔法の特性値が書いてあります。特性値は変化する場合があります。英雄は各特性値を越えてその種類のスキル・カードを習得することはできません。越えている場合は,特性値の枚数になるまでスキル・カードを捨てます。

 

〇 スキル・カードのまとめ

 ・手札として持っているスキル・カードを,カード左上のコストをトロフィーで支払って,自分の前に表に置き,そこから永続的に効果を発揮します。ただし,表にしておける枚数は英雄の特性値の数字までです。

 

■ アドベンチャー・カード

 

〇 イベント(Event

 (アクションの3.アドベンチャーで説明済み)

 

〇 クエスト(Quest

 ・アドベンチャー・カードを引いたとき,それがクエストであったら,表向きに自分の前に置きます。

 

〇 クエストの例「魔法の嵐」

 ・背が緑のアドベンチャー・カードの「魔法の嵐」はクエストです。このカードには地図が載っていて目的のヘックスが赤く囲んであります。そして,1アクションを消費してメンナラの牙で魔法(渦巻き)の能力判定を行う,と書いてあります。

 ・英雄はボード上でメンナラの牙まで移動してからカードの指示に従います。

 ・メンナラの牙に着いたら,「魔法の風」のカードを見て,1アクションを消費して,魔法の能力判定を行います。その結果,成功数が0-1ならローマ数字のⅠが適用され2点のダメージ。成功数が2ならⅡで,トロフィーを得る。成功数が3以上ならⅢで,手札の魔法アイコンのスキル・カードを無償で習得する,です。

 

〇 クエストの例「くねった道」

 ・クエストの大きくは調査(Exploring)です。背が緑のクエスト「くねった道」には,緑の森を調査する,と書いてあります。

・カード中段のローマ数字のⅠ・Ⅱ・Ⅲは地形を要求しています。英雄は緑の森に着いたら,自分の速度値に等しい個数の地形ダイスを振ります。出た目の地形で,ローマ数字のⅠ・Ⅱ・Ⅲから当てはまるものを1つ選びます。カードがワイルドを要求している場合はワイルドの目でなければなりません。

・Ⅰ・Ⅱ・Ⅲのどれにも当てはまらない場合は,今回はクエストは未達成です。クエスト・カードはそのまま残しておきます。当てはまってもクエスト未達成とすることもできます。

 ・「くねった道」の場合,森があればⅠで,緑(松明)のアドベンチャー・カードを引きます。森と水場があればⅡで,他のクエストを実行します。森とワイルドがあればⅢで,アイテム・カード(ゴールドのアイコン)を3枚得ます。

 

〇 カードの供出(Exert,力を出す)

 ・地形ダイスを振った後,手札からスキル・カードを1枚捨て札にすることによって,地形ダイス1個を振りなおすことができます。スキル・カードがある限り何回でもできます。

 

〇 終わった(達成した)クエスト

 ・カードを捨てるなどの指示がない限り,クエストを裏返してトロフィーとして置いておきます。トロフィーを消費するとスキルを習得することができます。

 

〇 アドベンチャー・カードのまとめ

 ・英雄がアドベンチャー・マーカーのある土地へ行くと,アドベンチャー・カードを引きます。

・そこでもしイベントが出たら多くの場合,能力判定を行います。

・もし敵が出たら戦闘になります。

・もしクエストが出たら目的の土地をめざして移動し,そこに達したら調査などを行います。

・いずれの場合も,成功したらこのカードを伏せてトロフィーとして置いておきます。

 

■ 敵(Enemy

 ・アドベンチャー・カードを引いたとき,それが敵であったら,敵と開戦します。敵はオレンジのアドベンチャー・カードに多く入っています。

 ・敵のカードの右に体力値が書いてあります。3~8くらいです。

 ・手番プレイヤーの右のプレイヤーが敵を操ります。

 ・敵プレイヤーは敵戦闘トークンを5個取ります。内訳は,ドクロ(裏は何もなし),盾(裏はドクロ),翼(裏はドクロ),金色のドクロ(裏はN),倍加(丸が2つ。裏はなし)です。使わないのは,金色のN(裏は2ドクロ)と2ドクロと(裏はN)と2N(裏はドクロ)です。

 ・アクト2では敵プレイヤーは6個目として,2ドクロ(マスター・トークンと言います。裏は金色のN)を取ります。この状態を強敵と言います。

 ・シナリオ・カードに記されたボス(Villain)は特殊な強敵で,シナリオ・カードに記された7つ目の戦闘トークンを持ちます。「ハイロード・マーガス」の場合,2ドクロです。トークンにはマーガス(龍)の絵が描いてあります。

・また,マーガスは,相手が持つ知識トークンの数だけ,-1ハートを得ると書いてあります。つまり,マーガスの体力値が下がります。知識トークンはアドベンチャー・カードのイベントや物語カードなどで入手できます。

 ・手番プレイヤーは自分の戦闘トークンを取ります。自分の英雄戦闘トークン(初期配置でもらったもの)に,自分が持っている他の戦闘トークン(アイテムカードで得たもの)を何個でも加えることができます。

 

■ 戦闘ラウンド(Rounds of Combat

・戦闘ラウンドを繰り返して行います。

 ・手番プレイヤーと敵はそれぞれ戦闘トークンをすべてまとめます。

 ・戦闘ラウンドの最初に,双方それぞれ自分の戦闘トークンをすべてキャストします。キャストというのはトークンをまとめてダイスのように振るかコイントスのように跳ね上げることです。

 ・キャストしたトークンはおもて面を見ます。これを戦闘に使います。両者のトークンを合わせて戦闘プールと言います。

 

・金色のシンボルが多い方が先攻になります。同数の場合,手番プレイヤーが先攻です。

 ・先攻プレイヤーから順に交互に戦闘アクションを1回行うか,パスします。パスしたら以後この戦闘ラウンドでは何もできません。

 ・戦闘トークンに記された1種類のシンボルをいくつか消費してその効果を使用します。これを戦闘アクションと言います。戦闘トークンのアイコンのうち使うのは左の大きなアイコンです。右の小さいアイコンは裏面が何かを示しています。

 ・シンボルを消費したトークンは戦闘プールの外に出します。

 

 ・ルール上,物理ダメージと魔法ダメージと敵ダメージがありますが,ダメージを受ける側は同じハート形のダメージ・トークンをもらいます。

 

・トークンを消費し尽くすなどして両者ともパスしたら1回の戦闘ラウンドは終わりです。再び戦闘トークンをすべてまとめてキャストして次の戦闘ラウンドに入ります。

・どちらかの受けたダメージがその体力値に等しくなったら敗北で,相手側の勝利で戦闘は終了します。

 

〇 戦闘トークンのシンボル(symbol

・たとえば敵は5枚のト-クンを持ちますが,その裏表10面のうちNが1個,ドクロは4個,翼が1個,盾が1個,倍加が1個あります。これらのシンボルの意味は・・・。

 

 ・斧・・・任意の数の斧シンボルを消費し,その数だけ相手に物理ダメージを与えます。次の星とドクロも使い方は同じです。

 ・星(中心から6方向に放射状に伸びている)・・・相手に魔法ダメージを与えます。

 

 ・ドクロ・・・敵が持つシンボルです。相手に敵ダメージを与えます。

 

 ・翼・・・敏捷性(agility)を使います。翼のシンボルを1つ消費し,自分の未消費の戦闘トークンを1個を反対の面に返す(反対の面の方が強い場合があります)か,相手の未消費の戦闘トークンを1個指定し,それを再キャストさせます。

 

N(波動)・・・波動(Surge)の能力を起動する。Nを消費し,波動の能力を起動します。それぞれの波動の能力は1戦闘ラウンド中に1回しか起動できません。

 例えば背がオレンジの敵で体力値が6の「妖術師」は1Nを消費して対戦相手の星のトークンをすべて取り除くことができます。2N消費すると得られる効果もあります。ゲームの後半アクト2では敵は6枚のトークンを使い,そのうち2枚にNがあります。

 

 ・倍加(丸が2つ。Double a symbol)・・・倍加トークンの上に自分の未消費の戦闘トークンを1枚載せます。1枚しか載せられません。このアクションではシンボルを消費しません。上に載ったトークンのシンボルは数字が2倍になります。上に載ったトークンのシンボルを消費するとき,倍加のトークンも一緒に消費します。

 ・倍加トークンの上に他のトークンが載っているとき,倍加トークンは裏返したり,再キャストできません。上に載ったトークンはできます。

 

 ・盾(Shields)・・・相手から攻撃を受けたとき盾を消費してその分だけダメージを回避できます。これは戦闘アクションに数えません。

 

〇 敗北と勝利

 ・受けたダメージが自分の体力値に等しくなった側は敗北し,相手が勝利して,戦闘は終わります。

 ・手番プレイヤーが勝利したら,敵カードの下辺に書いてある報酬を受け取ります。敵が「妖術師」の場合は,ゴールド・アイコンが2個,つまりアイテム・カードを2枚引きます。さらに敵カードを伏せてトロフィーとします。

 ・手番プレイヤーが敗北したとき,敵カードを捨てます。敗北している間はアクションを休息にしか使えません。少なくとも1ダメージを回復すれば,任意のアクションを行うことができます。戦闘に敗れてもゲームから退場するわけではありません。

 

〇 パス(Passing

 ・戦闘アクションを行わないでパスすることができます。何もできないときはパスしなくてはなりません。

 ・パスした後はこの戦闘ラウンドでは戦闘アクションを行えません。相手の攻撃に対して盾を消費して回避することはできます。

 

〇 退却(Retreating

 ・両者が敗北しないまま戦闘ラウンドが終了して次の戦闘ラウンドが始まる前に,手番プレイヤーは退却を試みることができます。

 ・退却を試みる場合,地形ダイスを1個振ります。その出目を使って隣接する地形に移動できる場合は,移動することで戦闘から退却できます。敵カードを捨て,戦闘は終了します。

 ・退却できなかった場合は,次の戦闘ラウンドに入ります。

 

〇 トークンを再キャストする(Recasting Tokens

 ・再キャストとはトークンを再び投げることです。表か裏かがランダムに決まります。

 

〇 トークンを裏返す。

 ・裏返して反対の面を上にすることです。

 

■ アイテムの交換(Bartering

 ・英雄どうしが同じマスにいるとき,そのどちらかの手番で,英雄間でゴールドやアイテムをやり取りすることができます。アクションを消費しません。

 

■ 他の英雄に挑戦(Challenges

 ・いくつかの能力によって英雄は他の英雄に戦闘を挑むことができます。戦闘を挑んだ側が先攻になります。

・戦闘のルールは敵との戦闘と同じです。

・双方とも退却できます。同時に退却を望んだ場合は,先攻プレイヤーから順に判定します。

 

■ 行動不能(Delayed Heroes

 ・物語カードなどの効果で英雄が行動不能になる場合があります。

 ・英雄が行動不能になったら,そのフィギュアを横倒しにします。

 ・行動不能の英雄は次のアクションを1つ消費してフィギュアを立てなくてはなりません。

 

■ シナリオ「マーガスの再来」のプレイ

 ・アクト1の終了時に天落の砦にマーガスが出現します。マーガスは移動しません。英雄はマーガスのいるヘックスに行って1アクションを消費してマーガスと戦闘を行うことができます。

 ・戦闘するときはシナリオ・カードを裏返して「ハイロード・マーガス」の面にします。

 

■ シナリオ「マーガスの再来」の勝利条件

 ・シナリオ・カードに勝利条件が記されています。

・「マーガスの再来」のシナリオでは,アクト2が終わったとき,親が地形ダイスを5個振ります。出たワイルドの数だけマーガスが上方のマスに進みます。そして,親から順に手番を行い,1ラウンド終わったら,親が再び地形ダイスを5個振ります。これを繰り返して,マーガスが6マス先のタマリアに着いたら英雄全員の敗北でゲームは終了します。

 ・ゲーム開始からマーガスのタマリア到着までの間に英雄がマーガスを倒したら,その英雄の勝利でゲームは終了します。

 

続きを見る
閉じる
たまご
malts_y
malts_y
レビュー
1033名が参考
約7年前

ファンタジーボドゲの名作。「ルーンバウンド」と「アンドールの伝説」は二大巨頭ですね。「アンドール」はゲームバランスが抜群で、一手でもミスれば即終了もザラなシビアさが売りですが。「ルーンバウンド」は極上のゴッコ遊び。子供たちと遊ぶとき、アンドールではどうしても親父が奉行になりがちですが、ルンバでは子供たちは伸び伸びと遊んでいます。テリノス大陸を駆け回り、モンスターを蹴散らし数々の事件を解決。優れた装備やスキルで身を固め、最後の強敵に挑むストーリーは王道そのもの。ゲームとしてはちょっと大味ですが、別の面白さや高揚感があります。

シナリオが2本しかないこと、英雄が6名しかいないことは少し物足りないですが、拡張で増やせます。各英雄の強さや使い方、装備やスキルとのシナジーなど、語りたくなる魅力があります。もっとファンが増えて欲しいゲームです。

続きを見る
閉じる
国王
コッパ
コッパ
レビュー
673名が参考
2年以上前

ファンタジー世界での王道ストーリーを、ボードゲーム の手法で濃密に再現する『ルーンバウンド』シリーズが新しくなった第3版。

日本なら『ドラゴンクエスト』に代表されるような、延べ数十時間に及ぶ壮大なRPGを、わずか半日でやり切ってしまおうという試みです。

前作の第2版はアークライトから日本語版も作られて、一部でかなりの人気を博しました。(かく言う私もハマりまくった一人であります。)

デザイナーの一人は、『ブラス』『蒸気の時代』でも有名な、マーティン・ワレス氏で、そのためかかなりかなり重いゲームでありました。

これがさすがに重すぎたのか、現代風のアレンジを加えて改訂したものがこの第3版となります。

今回はデザイナーにワレス氏が関与しておらず、代わりに『アンドロイド:ネットランナー』で、リチャード・ガーフィールドと共同でデザインに当たったルーカス・リッツシンガー氏がメインデザインを行なっております。

そのため、よく似ていますがだいぶルールの異なる別ゲームになっているので気をつけましょう。(大ヒット映画のシリーズ第3作で監督が変わった…みたいな感じですね。)

ちなみに現在のBGG(世界最大のアナログゲームサイトBord Game Geekのこと)ランクは、この第3版の方がかなり上ですね。(個人的には第2版好きなんですけど…)

◾️世界観は共通

舞台は架空のファンタジー世界テリノス。プレイヤーはそこでの冒険者の1人となって、命をかけて世界の危機を救う英雄となる物語です。(ちなみに実は『ディセント』シリーズや『ルーンエイジ』とも背景世界は共通です。)

今回は大きなシナリオが2本含まれており『マーガスの再来』と『死者の王』です。

それぞれ使用する専用アドベンチャーカードが別に用意されています。(一般アドベンチャーカードに混ぜて使用します。)

マーガスとは第2版のラスボス、伝説の赤竜の事ですね。

後の時代設定なので、復活する赤竜を阻止するという、いかにも続編という設定ですね。

このシナリオは、一度やったらネタバレで2度できないわけではなく、使用するカードも全てではないので、同じシナリオを何度でも楽しむ事が可能です。

ちなみに原作追加のシナリオセットがあと2つ発売されており、どちらもアークライトから日本語版としてリリースされています。

◾️多彩なアドベンチャーの連続

セットされているキャラクターは多様な6人。(日本製ではないのでイラストはかなり洋風で濃いです。美少女キャラクターとかはいませんので悪しからず。笑)

マップ上に散らばっているアドベンチャートークンを順番に解決する事でキャラクターを強化していきます。

前作ではイベントの《内容》に区別はなく、代わりに《難易度》のランクに区別がありました。

これに対し今作は《難易度》の差は特になく、内容が《交流》《探索》《戦闘》の3つに色分けされました。

これにより自分の得意分野を選んで対応することができるようになりました。(戦闘が苦手なキャラクターが、たまたま戦闘イベントばかりを引いて詰んでしまう…というような事態が少なくなりました。たまに違うのが混ざってるけど、笑)

RPGでよくある遭遇戦闘や、探索イベントなどがそれぞれカード1枚ずつにまとめてあるイメージですね。内容を読んで、自分の対応を選んだり、指定の場所に移動したり、遭遇した敵と戦ったりするわけです。

これをクリアしてゆくことで、レベルアップとお金を得ていきます。

お金が貯まれば性能の良い武器やアイテムを購入して強化されてゆく流れですね。

ただし、キャラクターのレベルアップは、経験値を貯めて《レベル》を上げる、というRPGスタンダードな方法(D&Dなど)ではなく、特定の《特殊スキル》を得てゆく事で能力が上がるという比較的最近のRPG系のルール(日本だとFEAR系?)に変更になりました。

バリエーションが多彩になったぶん、慣れないとちょっと複雑です。(いちいちスキルカードを読み比べる必要があるので)

◾️特殊な戦闘ルール

各キャラクターは、丸い厚紙の専用トークンを3枚ずつ持ち、これをバラバラと投げ、表に出た面の効果を解決してゆく…というかなり変則的な手法を導入しています。(概念的には2面のダイスという事ですね。)

ここに【物理攻撃】【魔法攻撃】【防御】【波動(エネルギーを発動し特殊な固有の効果を得る)】などがあり、それぞれが特定のトークンを消費して戦います。(もうちょっと複雑ですが長くなるので割愛)

あまり馴染みのない方法なので、確率計算などがちょっとやりにくい印象ですね。

特殊な武器を手に入れたりすると、別に用意されている専用のトークンも手に入れて、一緒に振ることができるようになります。これによってキャラクターの戦闘力が強化される仕掛けです。

◾️あまりに壮大で個人的には大好き。

やはり冒険を積み重ねて自分のキャラクターが強くなってゆくというのはやっていて楽しい♪

お金を稼いで都市へ行き、あれこれと新しいアイテムを買い物するのも楽しい♪

復活するドラゴンと対決し、世界を救う英雄譚も、やっていてすごく楽しい♪

やっぱりファンタジーはこうでなくちゃ、という個人的感想。

ただし断っておきますが難易度は高いです。(ヘタなウォーゲームよりよっぽど難しい)

同じファンタジーでも、決して日本の《ライトノベル》ではなく、有名どころで言うと《指輪物語》《ウィッチャー》《氷と炎の歌》《時の車輪》など全数巻に及ぶ大河小説のイメージが近いでしょう。

我々チームでも概ね好評でしたが、とにかく時間がかかるので気をつけて下さい。(第2版はそれこそ7時間近くかかっていましたが、改訂されたとは言え、4人で5時間以上かかりました。)

◾️ちょっと残念なところをまとめてみます。

①仲間がいない

旅の途中で仲間と出会い、一緒に戦う感じが好きだったのに、この要素は無くなってしまいました。

アイテムの一環として入手できる『仲間』カード自体が存在しません。

そのためどこまで行っても冒険は一人きりです。やっぱりこの手のファンタジーは《パーティ》を組みたいじゃないですか。

じゃあ他プレイヤーと協力してパーティ行動を取ろうと思っても、そんなルールはないんですよ。(そもそも協力ゲームじゃない)

これがやっぱりちょっと寂しい。

やっぱり6面ダイスの方が燃える

メンコのようなトークンのキャストはやっぱり燃えない。

所詮確率的にバリエーションがないんですよねー。2面ですから。

これも極端にサイコロ運の良し悪しで展開が崩れるのを防ぐ目的でしょうね。

出目の振り幅が小さいので意外な結果になりにくく、「どうやっても負けない」という事態も起こります。

また、何か新しいアイテムを得ると使えるトークンが増えたりするのですが、そのアイテムに対応する専用のトークンを探して取り出すのにけっこう手間がかかるのも難点です。

③戦闘で手加減できる

敵と出会うと、その敵の戦闘判定は右側に座るプレイヤーがやります。

出せるトークンの面は運ですが、使用する目の順番をコントロールできるので、簡単に手加減ができます。(明らかに《波動》で特殊アクションを繰り出した方が次ラウンドに有利なのに、あえて使わずに《普通の物理攻撃》で殴る…とかですね。)

わざとヘボな攻撃をすることが可能なので、ここもちょっと微妙なところ。

微妙という言い方をしたのは、今回のように不慣れな初心者がいたような場合、良かった部分もあったからです。(露骨に判定を覆したわけではないので、手加減を気づかれにくいです。)

④ソロプレイ感が強く、他プレイヤーと絡みがない。

各自がそれぞれ別々にボード上を旅します。そのため同じゲームボード上で同じゲームを別々にやってるような感じがずっと付きまとうのです。

「ああっ!先を越された!」「しまった阻止された!」「ちくしょう、やりやがったな!」という感覚がほとんどないのです。(都市で売ってるアイテムに欲しいものがあって、先に買われた!。くらいでしょうか?)

だからゲームに慣れてくると、他の人がめくったアドベンチャーカードの中身に関心が薄くなるんですよね。

なので後半になると、クエストやイベントが出ても自分だけ読んで、ふーんってなって勝手に処理しておしまい。何が起きてるのかよく分からないまま。こうなると展開がだいぶ味気なく感じるのは私だけでしょうか?

確かにゆっくり読み上げて説明して…ってやってるとすごい時間がかかるんですが、その物語感も醍醐味だと思っているので悩みます。(我々のグループでは、なるべくしっかり音読して、状況を説明しよう、と促しています。)

⑤死の恐怖がない

第2版はライフがゼロになったら死亡、装備や金を失いボロボロになって復活しました。(経験は失わないけど)

これはこれで、死んだら逆転負けするのはかなり難しいという問題を生じます。逆にそれが分かってるメンツとやると、死ぬことの恐怖感があるので、戦闘にかなり緊張感が生じるのです。

また前作は都市での回復にかなりの治療費がかかったので、傷を負うこともかなりのリスクだったのですが、今作はそもそも死なない。ダイスでライフが1以上に回復すれば普通に行動できる。また都市に入って回復を宣言すれば即座に無料で全回復できる。

だいぶヌルい調整になっているのですね。(たぶん今のプレイヤーさんは、自分のキャラが死ぬのを嫌がるのでしょう。ましてや治療費がかさんだり、周回遅れで勝ち目が無くなるのも嫌なんでしょうか。)

でも個人的にはそれがストーリーゲームの《物語》であり、醍醐味だと思っています。

この変更は好みがハッキリ分かれそうです。

⑥片付けがめんどくさい

シナリオごとな混ぜた専用イベントカードや、異なるグループに区分されたアイテムカードなどを、終わったら全部元通りに仕分けし直さなくてはなりません。(実は拡張を入れるともっともっと面倒くさい!)

これかなり手間です。さすがに私は翌日ゆっくりやりました。


こんな感じで、少しマイナス点も書きましたが、楽しいのは間違いないので、好きな人だけを招集して覚悟を持って望みましょう。

ぜひファンタジー世界に没入して冒険の旅を楽しんで下さい♪

続きを見る
閉じる
たまご
Bluebear
Bluebear
レビュー
665名が参考
7年弱前

ご注意願いたいことは、ルールブックの奥付を見るに、第三版は、第二版にインスパイアされつつも、第二版とは別の作者が作成したゲームということです。


第二版とは、似て非なる別ゲーム、という印象を強く受けました。

続きを見る
閉じる
たまご
Sigma Siuma
Sigma Siuma
他のレビューを読み込む
  • 商品価格¥7,480(税込)
    再入荷までお待ち下さい
    入荷通知を受け取る

    会員登録後、通知送信先を設定すると入荷通知を受け取れます

会員のマイボードゲーム情報
  • 114興味あり
  • 135経験あり
  • 39お気に入り
  • 215持ってる

チェックした商品