世界遺産であるダージリンヒマラヤ鉄道をモチーフに作られたゲーム。プレイヤー達は鉄道そのものや駅、それに茶畑を建設することにより勝利点を得る。
ゲームシステムはプロット型のワーカープレイスメント。スタートプレイヤーから順に1体ずつワーカーを配置し、全員が全てのワーカーを配置し終えたらアクションを解決していくというものだ。
アクションはAからGまで7種あり、それぞれの中に番号付きのアクションスペースがいくつか描かれている。アクションスペースはプレイヤー人数により数が異なり、解決はAの1から順に行われる。あえて処理順の遅いスペースを選べるという点を除けば、Empires: Age of Discoveryと全く同じシステムと言える。
ワーカーは基本的に2つしかないが、鉄道設備を入手したり契約カードの効果などにより3つ目が使用可能になる。
ワーカーが2つのみということと、アクションそのものが基本的にリソースを得るかリソースを使って何かする、しかないこと、それにラウンド更新処理がかなりシンプルで覚えやすいことから、ゲームの進行は非常にスムーズでスピーディーかつダウンタイムもかなり短い。
この点は非常に好印象だ。テンポ良くストレスなくサクサクとプレイを進めることができる。
また、カードには若干の言語依存があるが、契約カードに関してはアイコンと文章の併記であるため、持ち主さえ英語が読めれば日本語化せずともゲームの進行には全く問題ないし、カードリストで効果の細かいルールを参照しなくても済むためこの併記方式はとても良いと思う。
このゲームで特徴的なのはチャイの存在だ。プレイヤーは茶葉から作成したり、時には直接手に入れたチャイをワーカーに飲ませることにより、そのワーカーのアクションの効果を強力にすることができる。
チャイは列車の維持コストや勝利点にもなり、またワーカーを増やす際のリソースにもなるため、これを効率よく作ることがゲームに勝つ鍵になるだろう。
ルールは簡単、サクサクとテンポ良く遊べて非常に楽しい、中量級のお手本のようなゲームだ。列車の種類が少ない点が物足りず、リプレイ性がもう少し欲しかったかなという部分はあるものの、ヘビーゲーマーでなくとも幅広く楽しめるゲームなのは間違いない。炭鉱讃歌のような立ち位置のゲームだと感じた。