言葉通りの意味でポケットに入るサイズのコンパクトなパッケージながらも、テーマ性も戦略性も高い仕上がりとなっていました。
全体で9ラウンドに渡って行われ、行うことも
- 親から順番に演目のカードを出す。
- 一番演目の高い人がそのラウンド(落語会)のトリを務め、次の親となる。
- トリは演目の上に落語会カードを置いて得点の目印とする。
- 一番低い人から場にある演目のカードを選ぶ。
- 演目カードを並べ、次のラウンドに進む。
と実にわかりやすくなっています。
目を引いたのが、単純で抽象化されていながら演目のテーマにしっかり沿ったイラスト。(特に『子別れ』の“げんのう”“うなぎ”“かすがい”なんて落語好きがニヤリとするチョイスです)
各落語会(ラウンド)の勝者は単純に演目の数値の高い人なので大ネタを仕掛けたくなりますが、そうなると次の落語会で仕入れる演目カードの選択肢が大幅に減ってしまうと言うジレンマ。
また、同じ演目を3回以上並べることで得られる「十八番」や特定の演目を場に出すと得られる「称号」と言ったシステムが数値のみの勝負を奥深いものへと変えています。(数値の低い演目を出さないとマイナスになる称号すらあります!)
最終的に9ラウンドを終えて最も多くの点数を稼いだ人の勝利。
- 落語というなじみやすいテーマ
- 実際の演目や演芸場のある地名
- 短期(各ラウンド)、中期(次に仕入れるネタの選択)、長期(称号や十八番を見据えた動き)の目標がハッキリしている
- 勝負のしどころを見極め、ここ一番で大ネタを仕掛けられたときの爽快感
など、テーマも戦略性も素晴らしい小箱ボードゲームでした。