その他のアカウントでログイン/登録
Eメールでログイン
「参考画像」は会員が当サイトのデータベースにアップロードした画像です。
「平安当色賀留多」は、即位の礼正殿の儀で天皇が着用された「御束帯“黄櫨染”御袍」(おんそくたい“こうろぜん”ごほう)や皇嗣が着用された「黄丹」(おうに)の袍など、平安時代から貴族の位を示してきた「位袍当色」と日本古来から伝わる「有職文様」をデザインに取り入れた賀留多、すなわち日本でいうところの「トランプ」です。
平安当色賀留多では、トランプのスペードやハート、ダイヤ、クローバー(クラブ)といったマーク(正しくはスート)をそれぞれ有識文様の「雲立涌」(くもたちわき)「鐶唐花」(かんからはな)「轡唐草」(くつわからくさ)「藤立涌」(ふじたちわき)に置き換えた他、「キング」「クイーン」「ジャック」「エース」「10~2」といった強さ(トランプでは「ランク」と呼ぶ)を示すのに、平安時代に定めた位を示す色「位袍当色」(いほうとうじき)を用いています。※例えば、キングは天皇の当色「黄櫨染」、クイーンは(位袍ではないが)皇后の唐衣当色「白」、ジャックは皇太子、皇嗣の当色「黄丹」、エースは慣例として上皇が使った「赤白橡」など
このように、平安当色賀留多はトランプと同じ遊び方ができます。“貴族社会における階級の容赦なさ”を堪能したいときはトリックテイキング系のゲームが適しています。また、机上に広がる雅な色彩を愛でるなら「七並べ」がいいでしょう。
……が、
史実では時代が進むにつれて同じ階級を表す当色が変わっていきます。例えば平安時代前期から中期にかけて貴族の使用人を示す当色「黒橡」(くろつるばみ)は、平安後期になると臣下一位二位三位といった、上級貴族の当色になります(正しくは黒で黒橡とは作り方が異なる)。その代わりに、それまでの当色だった「深紫」「中紫」のように平安時代後期になって廃れていくこともありました。
この“歴史的事実”を反映して、平安当色賀留多では「当色改令札」によってゲームの途中で当色とランクの関係を変更できます。一方で「改令無効札」を使えば“改令前の当色とランクの関係に戻せます。ゲームで使える「当色改令札」と「改令無効札」の枚数は、ゲームを開始するごとに変わるので、手札の状況に合わせて「当色をどのタイミングで改令するか」「最終的に改令は無効になるの否か」といった読み合いも勝つためには重要になります。
なお、当色の変遷や色彩では、「真・満佐須計」と同様に、“ヤベェ本”のツイートで一躍有名になった八條忠基先生の著作「有職装束大全」(平凡社)を基に考証しています。また、天皇の当色「黄櫨染」では、有職装束大全の掲載されている「色見本」を参考とした札以外に、令和即位の礼正殿の儀で新調された御束帯黄櫨染御袍の色を宮内庁航海写真を参考に別な札として用意しています。同様に、唐衣の有職文様「松喰向鶴」も平成即位の礼正殿の儀で着用されたデザインをあしらった札の他に、令和即位の礼正殿の儀で新調された有職文様をあしらった札も用意しています。