ワーカープレースメント、ダイスドラフトのメカニクスに必要最低限の要素だけに絞り盤面に落とし込んだ作品。綺麗な見た目に反してかなりシビアなゲーマーズゲーム。
1時間で終わるボリュームだが、精神的な重さは3時間級と対して変わらないレベル。
写真:シンプルで洗練されたコンポーネント
良い点と悪い点を語っていこうと思う。
良い点
・ルールが簡単
ラウンド制。毎ラウンド頭にスタピが振った4個1組ダイスラインから使いたいセットを選び決まったワークスペースに配置するだけ。ダイスは色と出目に応じて置けるエリアが決まっている。赤が終了時の追加点、緑がフリーアクション兼ラウンド中に加点するためのパズルタイルの獲得、灰色が出目や手番順操作などのサポートと役割が明確に定められている。また、全体的に得点要素も少ないので初心者でも理解しやすい。
・見た目がきれい
上の写真だと発色がイマイチだが、実物は色合いがキレイでシンプルなデザインと相まって機能美を感じさせる。
・シンプルでシビアなゲーム性
エアシップシティなどのゲーマーズゲームを出しているサークルだけあって今回もかなり厳しいゲームデザイン。アクションの選択肢と手番の少なさから1ラウンド目からきめ細かに方針を練らないといけないタイトなルールになっている。1手のミスで下手すると挽回が不可になるほどの失敗につながることもままある。
悪い点
・見た目に反したシビアさ
上記の良い点と矛盾しているが、ゲーマー以外からすると見た目に釣られて遊んだらきつ過ぎて辛い目に合うことになってしまう。オープン会で見た目からやってみたいと言われて立てたら実際にそう言われてしまった。
総合的にゲーマーズゲームとして堅実にまとめられた作品。
ワーカープレースメントとダイスドラフトにおける勝つために必要なエッセンスが詰まっているため、このゲームに強くなると恐らく他のゲームも強くなると思われる。無駄な手番をして負ける意識がある人は一度この作品をしっかり遊んでみると勝つために必要な動き方が学べる、かもしれない。