サンファン2TM of Yokohamaさんのレビュー

【メイン要素】拡大再生産＋手札管理＋セットコレクション

【ルール理解】分かりやすいが、細かいカード効果あり

【手番選択肢】５つの中から選択

【勝利点要素】施設建設による勝利点

【言語依存度】カード効果に説明多し

【妨害干渉度】妨害はないが、アクション選択で干渉あり

【運と実力比】運6割 実力4割

【外観芸術性】「２」で輪郭がハッキリした

【初心者向けルール（提案）】初心者は最初に「図書館」を出した状況でスタート

現代ボードゲームの基本的な要素をバランス良く組み込んだ名作

　基本的に、生産施設で生産した商品を売却し、その売却益で都市施設を建てて勝利点を得る＜拡大再生産＞がテーマですが、アクションを強化する都市施設や、都市施設の組み合わせによるボーナスがあり、いかに手札に来たカード（施設）を効率よく得点が狙えるかを競う＜セットコレクション＞と＜手札管理＞の要素もあります。

　ターン制ではなく、ヴァリアブル・フェイズ・オーダーという「誰かの選択したアクションを全員が行う」システムを採用し、アクションを選択した人には特権で少しのボーナスがつきます。１アクションによる相手との少しの差を積み重ねたり、相手の意図しないアクションを選択したりして、最終的にゲームに勝利していきます。この感覚は、一度やってみないと面白さを実感できないところではあります。

　勝ち筋はそこまで多くはないものの、適度にカード運の要素があり、カードの組み合わせの選択肢あり、いかに相手の意図しないアクションを取るかの駆け引きがあります。1ゲーム30分～45分とちょうどいい。「プエルトリコ」から（いろいろな批判のある）労働者概念を取り除いて、うまくカードゲームとしてまとまっていると感じます。

　強くなるには、やはり強いカードがどれかを知る必要があります。それはカードゲームとして仕方のないところ。「戦略やコツ」にも書きましたが、勝負の分かれ目は30点台後半。40点に到達したら勝利はほぼ間違いありません

　2004年に発売されて20年経ちますが、ボードゲームの古典として色あせない魅力を持っているので、是非プレイして欲しいゲームです。もちろん「プエルトリコ」や「Race for the Galaxy」をプレイする前段階としてやってみるのもOK。そうそう、もともと付いてる拡張（紫色カード）を入れたほうが面白くなりますので、数回プレイして慣れてきたらお試しください。

（補足：箱について）

　スリーブをつけると箱に入りきらなくなります。そんな高い値段ではないので、スリーブなしでもOKだと思いますが・・・。また、箱は捨て札を入れるのにちょうどよいサイズです。「参事会議員」アクションを多用すると山札が無くなり、必ず1回は捨て札シャッフルが必要ですから、箱にいれておくと捨て札回収にも便利。