- 1人~8人
- 3分~15分
- 8歳~
- 2017年~
マジックメイズdrillさんのレビュー
【まえがき】
2017年前期にSit Down!社が発売した、非コミュニケーション型リアルタイム協力ゲームです。発売後、すぐに国内メーカーから日本語版が発売、国内流通しています。今年の後半に拡張の発売が予定されています。
ゲーム自体は国内の一部の人しか知られてなかったのですが、ドイツ年間ゲーム大賞の候補に選ばれて、日本語版が出たことから、一気に知名度が上がりました。
ゲーム自体は「非コミュニケーション」+「リアルタイム」+「協力」となっていて、コミュニケーションが禁止されている中で、プレイヤーたちが如何にうまく協力して目的を達成するか、しかも迫りくる制限時間の中で達成できるかを目指す内容となっています。
【ルールの簡単な説明】
スタートタイルをテーブルの真ん中に置き、ヒーローコマを開始地点にすべて置きます。このヒーローコマは、誰かが担当するコマではありません。全プレイヤーが担当します。
次にプレイ人数に応じたアクションタイルを、ランダムに各プレイヤーに配ります。これが、各プレイヤーが担当するアクションになり、この担当アクション以外のことはすることができません。
そして、砂時計をひっくり返したらゲーム開始です。
ゲーム中はリアルタイムで全員同時でゲームは進みます。各プレイヤーは場の状況を見ながら、自分が担当するアクションを次々に実行していきます。
アクションには
- ヒーローを上/下/左/右に移動する(それぞれ別アクション)
- ヒーローと同じ色のゾーンにワープする
- エスカレーターを登る、または降る
- 探索して新しいタイルをつなげる
の7アクションがあります。
これを各プレイヤーが担当(人数によっては1人で複数アクションを担当する)します。
ゲームの目的は選んだシナリオによって変わりますが、基本的には各ヒーローが求めるアイテムがあるマスに移動して、それから各ヒーロー用の脱出口のマスに移動することです。これを達成できれば、全プレイヤーの勝利となります。
そして、砂時計がすべて落ちきってしまうとゲームは終了、全プレイヤーの敗北となります。
なお、このゲーム中は話す、指図する、ジェスチャー等のコミュニケーションはすべて禁止されています。唯一、「気づいて!」ポーンをやってほしいアクションを担当しているプレイヤーに渡すことができるだけです。
【感想】
3回遊び、シナリオ1と2をクリアしました。
リアルタイムでゲームを進めるため、プレイ時間は非常に短いです。約15分ぐらいでした。
非コミュニケーション型というのは、既に「ザ・ゲーム」で慣れている人も多いと思います。しかし時間制限があり、自然とプレイヤーは焦ってしまうため、コミュニケーションが取れないことが非常にまだろこしく感じます。この辺りは勘が鋭い人、鈍い人で若干変わるのではないでしょうか?(私は鈍い方です)
また自分が担当するアクションも理解し、盤面もちゃんと見ているにも関わらず、意外と今自分がやらなければならないアクションが見えてないものです。そのため、局所ではなく全体を見渡して状況を把握することが求められると思います。このゲームは子供向きと言われてますが、その点では子供には難しいのではなかろうかと思います(その見えてないのを楽しむのも当然ありですが)。
また協力ゲームというのは既にありふれたルールですが、各プレイヤーがヒーローを担当するのではなく、アクションを担当して全ヒーローを動かすというのは目新しいと感じました。この感覚は、今までと少し異なります。気がつくと勝手にどれかの色のヒーローだけを動かしていたりしています(うまく伝えられませんが、そういう錯覚をおこすという感じでしょうか)。
ゲームの目的自体は、それぞれのコマを指定場所に移動して、その後また別の場所に移動するというだけで、何も難しいことはないと思います。シナリオが予め多めに用意されていて条件や制約は変わるのですが、目的自体はあまり変わり映えしないため、数回遊ぶとちょっとマンネリ感を感じてしまいます。また、そもそものストーリーがあまり良くないように感じます(装備を失ったヒーローたちは、再びダンジョンに挑戦するためにショッピングモール内で武器やアイテムを盗んで逃げようというストーリー)。
ここはもう少し、バリエーションが欲しかったところです。どうせ目的の場所に移動することを繰り返すのであれば、指定場所にアイテムを取りにいき、別の指定場所にいる敵を倒すというストーリーでも良かったのではないかなと思います。拡張が予定されていますので期待したいですが、今のところ内容を見る限りは場所は変わらずショッピングモール内で、ヒーローの能力が増えたり、シナリオの制約が増えるような内容のようです。
不満が多いように見えますが、私的には非コミュニケーションとリアルタイム、協力ゲームは非常に組み合わせがいいのではないかと思っています。今後、この手のゲームに大いに期待したいと思います。
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