- 2人~4人
- 120分~180分
- 14歳~
- 2018年~
ブラス:ランカシャーハナさんのレビュー
黒ブラスと白ブラスの比較レビュー。
ブラスランカシャー、パッケージの色から通称黒ブラスと呼ばれています。
2007年に作られた元祖ブラスの純粋なリメイクで、コンポーネントの大幅グレードアップと微細なルール調整以外はほぼそのまま当時のブラスとなっております。
姉妹作品であり、ほぼルールは踏襲しながらも様々なところに調整が入ったブラスバーミンガム(通称白ブラス)はBGGランキング世界3位という怪物ゲームですが、黒ブラスも21位と依然非常に高い評価、人気を得ている作品です。(2022/5時点)
それぞれ基本ルール部分は共通でもプレイ感が微妙に異なり、単純に白ブラスが黒ブラスの上位互換、とはならない関係です。実際黒ブラスの方が好きという人も多いと思われます。
私は先に評価が高い白ブラスを購入してプレイしたのですが、黒ブラスも気になって結局後に購入してしました。白ブラス→黒ブラスとプレイした立場から、白ブラスとの比較を中心にレビューさせていただきます。
どちらを買おうか悩んでいる方の一助になればと思います。
【比較ポイント】
①ルール難易度 黒 ≦ 白
②運要素 黒 > 白
③シビアさ 黒 ≫ 白
④多様性(リプレイ性) 黒 ≧ 白
⑤人数によるバランス 黒 < 白
⑥総合 黒 ≠ 白
【個人的感想】
①ルール難易度
正直ほとんど大差ないです。少しだけ白の方が覚えることが多い(主にビール周り)ですが、どちらも同じくらいにしっかり重いので誤差ですね。黒ができれば白はできますし、白が重すぎてしんどいと感じれば黒もダメだと思います。
②運要素
黒の方が古いゲームのため、そのあたりの調整は黒の方がやや荒く感じます。売却アクションが黒の方が運絡みでやや不安定ですし、手札運に対する救済措置は白の方が手厚いです。
その分、良くも悪くもプレイング以外で勝敗が決まる可能性が黒にはあると思います。
③シビアさ
同じく黒の方が古いゲームなため、ゲームに容赦がない面があります。
まず、資金面では黒の方がカツカツです。白より収益が上がりにくく借金頻度が高いですし、終盤4ラウンドで借金不可になることもあり、計算をミスると資金不足で最後に何もできなくなったりします。
また不運、戦略ミス、プレイミス、干渉に対してのリカバリーという面でも黒の方が厳しいです。白の方が打てる手の幅が広く、やりたいことと手札や場の状況が噛み合わなくてもプレイングである程度取り返しがつくことが多いですが、黒は序盤の方針が躓いたり大きなミスをするとそのまま惨敗に繋がることが多々あります。
加えて、ブラスでもっとも直接的な干渉である「建て替え」も、製鉄所を置ける場所が少ない黒の方が起こりやすいです。
ここが一般的に白の評価が高い一番の要因だと思われますが、必ずしもシビア=悪ではないと思うので好みが別れそうです。
④多様性(リプレイ性)
この点はそこまで大きな差ではなさそうですが、黒が若干勝ると思われます。
白は工業、紡績、窯業と展開する産業の幅は広いのですが、どれも売却で収益化する流れの中にプレイ感の大きな差がないため、結局毎回ビールを中心に駆け引きが展開されるという似通った体験になりそうです。
黒は産業が少ない分特定産業に特化した時のリターンが大きく、また遠方市場というランダム要素があるため白よりもプレイ体験の波がやや大きいと思います。
⑤人数によるバランス
この点は私自身が色々な人数でプレイできていないので他のレビューからの受け売りですが、プレイ人数の幅は白に軍配があがるとよく言われています。黒は最適4人、2人は微妙、それに対し白は最適が3~4人、2人も可だそうです。少人数プレイなら白一択のようです。
⑥総合
上記のように、黒には少し昔のゲーム特有の荒くワイルドな魅力が、白には最近のゲームにみられる洗練された魅力があり、どちらが優れているとは言えないと思います。私はワイルドな黒の方が好みでした。
海外のレビューに「黒は戦略的、白は戦術的」というレビューがありました。確かにプレイ方針が重要な黒と目の前の状況で最善手を求められる白でゲーム性に違いがあると思われ、とても納得感がありますね。
黒と白どちらも間違いなく名作だと思います。が、どちらもそれなりに高額であり、似たゲームを両方買うのはなかなか抵抗があると思われます。どちらを買おうか悩まれるなら、私のように脳死で評価が高い白を選ぶのではなくご自分の好みで選ばれると良いかなと思いました。
ちなみに私は白黒両方買って後悔していません。ブラスが好きなら両方購入も全然ありだと思います。
- 623興味あり
- 821経験あり
- 298お気に入り
- 754持ってる
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