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  • 2人~4人
  • 20分~60分
  • 12歳~
  • 2019年~

レス・アルカナmaroさんのレビュー

890名
9名
0
4年弱前

レースフォーザギャラクシー(RFTG)のトム・レーマンの2019年作品。

レーマン氏のものとしては、BGGではRFTG、ロールフォーザギャラクシーにつぐ、131位(2021年1月現在)でレートはRFTGと並ぶ7.8を記録している。

今回はベースがファンタジーとなっていて、各カードのイメージは掴みやすい。

各プレイヤーはさまざまな能力を持つ8枚のアーティファクトカードを軸として、開始時に選択する職種の持つ特殊能力も使いつつ、モニュメント、力ある場所(これも多様な能力を持つ)などのカードを獲得して10点の勝利点の獲得を目指す。

ゲームの特性を簡潔に表すと、エッセンスと呼ばれる5種類のリソースのマネージメントを中心としたコンボ系カードゲームといえる。各カードはリソースの獲得や変換、ライブラリー操作、アンタップ操作、相手の特定のリソースに対する攻撃とそれに対する防御(カウンター)などの様々な効果を有するが、直接攻撃要素は低く、場のカードの早取りの重要性のほうが目立つ。

8枚のアーティファクトカードからの3枚が初期札となるが、いかんせん個人の持ち札はこの8枚のみ。逆に言うとこれらのカードを出し切るまえに多くの戦いは終了することも多いため、レースゲームとしての印象も強い。1-2ターン目のアイドリング的な序盤、3-5ターンくらいが拡大生産のエンジンを作りつつ勝利点獲得の基盤を作る中盤とすると、6-9ターンくらいで終盤ということを感じることもなくゲームは収束していく。

RFTGが不確定の山札を意識しつつ戦略的な受け入れをつくっておき、中盤以降徐々に特化していく、麻雀にも似たひらかれたカードマネージメントであるならば、このレスアルカナは限定されたゲーム内リソースを組み合わせて最大限に活用することで1手でも早く相手より10点を獲得する、閉じられたプレイ感覚である。

本作もリプレイ性は十分あるが、この点ではRTFGの方がランダマイズされた、それこそ宇宙的な広がりが感じられる。

初期手札以外の5枚の自分のアーティファクトカードの山札と毎ラウンド2枚場に出されているモニュメントカードを除き大部分は公開情報であり、1手1手の持つ重みは大きい。勝つことを追求するのであれば様々な勝利ルートを把握し、効率性を求めてきちんと計算しなければならない。このあたりは宝石の煌めきとも似ているが、カード効果、アイコンなどはやや分かりづらい部分もあり、概要を理解するためには幾分下準備が必要と思える。

RFTGとはかなり異なるプレイ感であるものの、やりこみ要素が存在するという点では共通している。ただ、レスアルカナでは、個人のリソースとなる8枚のアーティファクトの組み合わせと開始時の引き次第で有利不利が生じることも事実である。ここは根本的には開始時にアーティファクトカードのドラフトを行っても完全には解決されるものでもない。別の見方をすれば、これによりアブストラクト的な性質は薄まっているとも言える。

現在1作拡張が発売されているが、今後さらに拡張が追加されゲーム要素が増えることでまたプレイ感が変わってくるかもしれないのが楽しみである。

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