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  • 2人~6人
  • 45分~75分
  • 14歳~
  • 2019年~

エコス ~原初の大地~Bluebearさんのレビュー

783名
4名
0
9ヶ月前

地球の創造神となって、原初の大陸や海洋を作り出し、そこに生命(まだ人類はいません)を繁栄させていく壮大なテーマのゲームです。

『ミスティックベイル』『キュビトス』のデザイナー、ジョン・D・クレア氏の2019年の作品です。

2020年のOrigins Awards最優秀ボードゲーム賞にノミネートされました。

このスケールのゲームにしては珍しく、6人までプレイ可能な事から購入を決めました。

◾️システムの基本はビンゴ!

各プレイヤーはそれぞれ異なるカードを持ち、そのうち一部を手順に従って自分の場に出すことができます。

そこにはいくつかのゲーム効果が書いてあって、

『砂漠タイルを1枚置く』とか『陸地ひとつに山岳コマを置く』とか、

『置いたタイルに一致する《動物トークン》をひとつ置く』とか、『◯◯の条件を満たしていたら◯◯点の勝利点を得る』とか、

ひとつ〜複数の内容となっています。

基本的には、この効果をどんどん使って、より効果的に勝利点を得ていくのがゲームの基本です。

ところがこの効果ですが、単にカードを出しても発動しません。

毎回袋から《エレメント》と呼ばれる元素(?)のようなものをひとつ引いて、そのマークのところに木製キューブを置いていき、それが全部揃ったら「エコ!」と宣言して効果発動なのです。

まさに《ビンゴ!》そのものですね。

そのため効果発動ができるかどうかは完全に《運》です。

「なんだ、それじゃあただの運ゲーじゃないか」と思いますよね。さすがにボードゲームなので、ここに戦略が入ります。

場に出すカードの内容は全部違うので、自分で内容をよく見て選んで出していくのです。その内容によっては、かなり効果が連鎖するようになります。《エレメント》の出現確率は異っており、その数はあらかじめ分かっているので、その確率を考えた上で効果を選ぶ必要があるのです。

カードの引き運は、ほぼありません。なぜなら必要なカードはほとんど最初に12枚も配られるからです。そのうち選んだ3枚をスタート時に自分の場に出し、ここから開始するのです。

ここからビンゴ運も考慮して、どれだけカード効果を上手く組み立てられたかが、勝敗を分けるゲームなのです。

↑ちなみにこの《エレメント》は重量感、高級感もあってなかなかいい感じですよ

◾️効果は回数制限あり

自分が組み立てたカードアクションは、たいていのゲームでは、それがどんどん重なって効果も大きくなり、後半はダイナミックな展開になることが多いですよね。

ところがこのゲームは、上記のようなカード効果の発動は《回数制限》があるのです。

カードは正方形になっていて、発動するたびに90度回転させ、各辺に描いてある葉っぱの枚数が少なくなっていき、それが尽きたらカードは失われてしまいます。

効果の大きいカードほど、発動回数が少なくなるものが多いので、ここはも考えどころとして考慮して、長期的な運用を考える必要があるゲームとなっています。

けっこう難しいです。

◾️プレイ自体は慣れが必要、かつけっこう地味

他にあまり例を見ない《ビンゴ方式》や、山脈、森林の配置や、各種動物の配置など、独特のルールが多いので、決して難しくはないのですが《慣れ》が必要で、またカード効果が多種にわたるために、手元のカードを眺めながらあれこれ考えないとゲームが進みません。(単独で出してもあまり意味がない効果が多いので)

そのため最初はみんな、何をどう進めていけば点数になるのか全然分からず、手探り状態で進行。

ほとんど『とりあえず適当にこれ出しておこう、あとは《エレメント》の運次第だなぁ』といった感覚でした。

誰かが単独で80点を越えたら勝利なのですが、最初のうちは全然点数が伸びず、『これ終わるの?』といった雰囲気でした。

ところが!ある一人が大きな海に《マグロ》をたくさん増やして、その後《サメ》でごっそりそれを喰う事で一気に20点以上の獲得を果たし、これによって全員が点数の取り方をやっと理解!それまでやや盛り下がりムードだったものが一気に盛り上がりに転じて、《ライオン》で《レイヨウ》の群れを喰いに行ったり、《コウノトリ》を長距離飛ばしたり、負けじと《シャチ》や《ヒョウ》を放ったり、地形を増やして地味に点数稼ぎに専念したり、かなりのデッドヒートとなりました(笑)

「次私ね。《太陽》出ろ出ろ!あー、また《水》だ!」

「やったー!エコ!」

「あ、俺もエコだ」

「うそ、なんで出ないよのー」

「日頃のおこないだな(笑)」

「私はここに《草原》を繋げて、海に接しているから4点もらって、さらにこのマーク、卵?石?と芝生みたいなやつと両方のマークもらって、さらにエコ!」

「おーコンボですな。うまいね」

「で、ここにさらに《レイヨウ》を置きま〜す。」

「あ、さてはまた《ライオン》を使う気だな(笑)やべーぞこれ」

「よし、次俺のエコな。ここに《山》置いて4点。周りに4個の《森》があるからさらに8点!」

「きゃあ、これでトップじゃない。まずい、出遅れたー!」

「俺も、全然追いつかない。どーすりゃいいんだこれ」

…と、こんな感じでした。

◾️6人プレイは貴重

このクラスの中〜重量級ゲームで6人プレイが可能なゲームはそれほど多くないため我々にはとても貴重な存在。

基本システムがビンゴなので、手番が無く、人数が増えたからといって極端に待ち時間が伸びるわけではないのは大きな利点でしょう。(ほぼ同時プレイと言ってもいいでしょう。多少、効果の適用順が問題になる事もあるので完全ではありませんが)

ただし、前述したようにカード効果の組み合わせが非常に複雑で、それらをよく考えないと点数が伸びないので、けっこう悩む&考える事が多くて、特に初回はすごく時間がかかると思います。公称45〜75分とありますが、全然そんな時間内では終わりませんでした。

我々の場合、説明込みで2時間半ほどかかりましたね。(慣れればもう少し早くなると思いますが)

カード効果の連鎖を考えるのに慣れたボードゲーム中級者は、たぶんかなり楽しいゲームになると思いますよ♪

《追記》

このゲーム、コンポーネントのこだわりも凄すぎる。テーマが《エコ》だからなのか、徹底してプラスチックが廃されています。

エレメントトークンを始め、森や山は木製だし、動物トークンや元力キューブをしまうケースも厚紙組み立て式。豪華なのはいいんだけど、全部がうまく箱に収まらない。ギッチギチです。何とかならんもんかなー(笑)。


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